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成人期以降の歯を失う原因「歯周病」

3/1(水) 11:00配信

月刊糖尿病ライフ さかえ

「健口」、すなわち歯と口を健やかに保つことは、糖尿病治療にも大きく関係します。
歯科医師の先生に、大切な健口に関するお話をしていただきました。

■ 40歳以降に広がる現在歯数の差

 前回は、皆さんご自身の歯の本数(現在歯数)を数えていただき、同じ世代・年齢の人たちの中で何番目くらいに位置するのかを確認してもらいました。さらに、80歳になったときに残っている歯の本数を予測しました。その時に使ったグラフを思い出してください。20歳以降40歳くらいまで現在歯数に大きな変化は見られません。40歳時点での上位10%の人の現在歯数は約30本、下位10%で約25本と、その差は5本程度でした。ところが、40歳以降になると上位10%と下位10%の現在歯数の差は次第に広がっていきます。80歳では上位10%で約28本、下位10%では約4本と、24本もの差ができてしまっています。なぜ、40歳以降、自分の歯を維持できる人とできない人の差が広がっていってしまうのでしょうか。

 若い時に歯を失ってしまう一番の原因は「むし歯」です。ですから、40歳以前の歯の喪失は小児期から青年期にかけてのむし歯が原因と考えられます。一方、40歳以降の歯の喪失は、むし歯も原因の一つですが、最大の原因は「歯周病」です。


■ 歯周病ってどのような病気?

 歯周病は、歯肉の炎症や歯を支える骨がなくなっていく病気です。図1をご覧ください。○で示している部位が歯と歯肉の境目で歯頸部(しけいぶ)といいます。この境目には小さな溝(歯肉溝)があります。歯頸部は細菌の塊である歯垢(しこう=プラーク)が付着しやすい部位で、当然、歯肉溝の中までプラークは付着しています(歯肉縁下プラーク)。プラークは口をゆすいだだけでは取れません。しっかりと適切な歯磨きをしないと、プラーク中の細菌がどんどん増えていきます。その中には当然、歯周病の原因となる細菌(歯周病原性細菌)も含まれています。歯周病原性細菌が歯肉溝に侵入すると歯肉に炎症が起こります。この状態が歯肉炎です。歯肉炎を放っておくと、プラーク中の細菌は歯肉溝を深くしながら進入していきます。歯肉溝が深くなった状態を歯周ポケットと呼びます。そして歯を支えている顎の骨(歯槽骨)を溶かし始めます。歯槽骨が溶かされると歯はグラグラとなり、噛(か)みにくいなどの機能障害も起こり、最後には歯が抜け落ちてしまいます。

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月刊糖尿病ライフさかえ

時事通信出版局

2017年8月号
(第57巻・8号)

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