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【蹴球日本を考える】早くも全試合先発は西川、宇賀神、青木、森脇の4人だけ。今季の浦和はちょっと違う

SOCCER DIGEST Web 3/1(水) 12:51配信

近年の浦和は主力と控えに大きな格差があったが…。

 FCソウルに圧勝した試合を観て、私は思った。
 今季の浦和は、ちょっと違うかもしれない。

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「違う」というのはいい意味でのこと。もっとも、前半だけで5ゴールが決まった試合の内容が、特別に素晴らしかったというわけではない。これについてはソウルの出来が悪すぎたというべきだろう。
 
 ソウルは中盤のバランスが悪く、浦和がボールを奪って反転速攻を仕掛けると、瞬く間に数的優位の状況ができ上がった。
 
 攻守が交代して、関根や武藤がスピードに乗ったドリブルを仕掛ける。するとソウル守備陣はボールに吸い寄せられ、3人目どころか2人目もマークできなくなった。これが大量得点の要因。ゴールキーパーの出来の悪さも手伝って、次々とにゴールが決まった。
 
 いい意味で違うと思ったのは、選手層が厚くなりつつあるということだ。
 
 近年の浦和は、ペトロヴィッチ監督の手堅い起用もあって主力と控えに大きな格差ができていた。
 スタメンは固定化され、これに高木とズラタン、さらに守備固めの青木が加わる程度。決まったメンバーで戦うことで安定した試合運びができ、連係も深まるというメリットもあるが、その一方でメンバーが変わると質が落ちたり、シーズンを通じて大きな上積みがないという課題も抱えていた。
 
 だが冒頭でも書いたように、今季の浦和はちょっと違う。試合のたびにスタメンの顔ぶれが変わっているのだ。鹿島とのゼロックスから公式戦4試合ですべてにスタメン出場しているのは、西川、宇賀神、青木、森脇の4人だけだ。
 
 ソウル戦でも大黒柱の阿部に加えて、故障の柏木が外れたことで、駒井がボランチに入るという新しいシステムとなった。
 
 展開力のある阿部とラストパスを供給する柏木が抜けると、浦和のボール運びはいつもと様相が変わってくる。率直にいって、精度や安定感を欠くところがある。
 
 だが、悪いことばかりではない。いまの浦和は、チャンスを得た選手たちが必死にアピールすることで、ポジション争いが起きつつある。このことで選手層が厚くなるかもしれないのだ。
 
 そしてもうひとつ、ラファエル・シルバの加入はやはり大きい。後半からの出場となったこの日、3試合連続ゴールはならなかったが、力強いドリブルから何度もソウルゴールに迫った。
 
 シルバの獲得が発表された時、どこで使うのだろうと疑問視する声をあちこちで耳にした。だが、いい補強になりそうだ。
 成熟したシステムで戦う浦和は、それゆえ組織が機能しなくなると脆さを見せる。だがシルバは組織が機能しなくても、単独でチャンスを創り、ゴールを決める能力がある。
 
 ゼロックスからの4試合で2勝2敗。13得点・8失点と、浦和は出入りの激しい戦いを続けている。試合運びは不安定でも、選手層は徐々に厚みを増しているのかもしれない。
 
取材・文:熊崎 敬(スポーツライター)

最終更新:3/1(水) 12:51

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