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アトレティコvsバルサ、収縮と拡散の戦い。潮目となった60分、高インテンシティ継続の限度【西部の目】

3/2(木) 10:20配信

フットボールチャンネル

 25日、リーガエスパニョーラ第24節、アトレティコ・マドリー-バルセロナの一戦が行われ、アウェイの地に乗り込んだバルサが終了間際に決勝点を奪い勝ち点3を獲得した。攻撃時はピッチを広く使い、守備時ではコンパクトな陣形を作るのがサッカーのセオリーであるが、この1戦は、正反対の志向を持つチームによるゲームとなった。(文:西部謙司)

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広げたいバルサ、縮みたいアトレティコ。正反対の志向

 攻撃は広く、守備は狭く。サッカーのセオリーだが、リーガエスパニョーラ第24節は広げたいバルセロナ、縮みたいアトレティコという正反対の指向を持つチームの対決だった。

 バルセロナは中盤を菱形に組む3-4-3でスタートした。フラット型4-4-2のアトレティコに対して、右に左にボールを動かしてフリーで起点になりうる選手を作ろうとする。とくに3バックの右側担当のピケにボールを持たせて、アトレティコのMFを引っぱり出そうとした。

 プレス最優先のアトレティコはサウールがピケへ向かっていく。アトレティコのポジション修正が速いせいか、あるいはピケに来るのがサウールとは予想していなかったのか、バルセロナは上手くパスを回せない。

 拡散して「ロンド」に持ち込もうとしたバルセロナは目論見が外れ、収縮指向のアトレティコのリズムで前半は進む。アトレティコはサイドチェンジを全くといっていいほど使わない。ボールサイドを攻め切ろうとする。フィールドの半分にほとんどの選手が入ってしまう状態に、あえてしている。

 味方が集まってくれば、相手も集まってくる。密集になる。密集であれば、ボールを失ってもプレスをかけやすい。だからアトレティコはボールを下げない。一時的に下げてもすぐ前へフィードするために下げるだけ。前へフィードして全体が前へ押し上げることで、相手ボールになってもプレスで優位に立てるからだ。

強度の高いプレッシングの分岐点になる60分

 狭いエリアでのパスワーク、縦指向、即座のプレス。この強度の高いプレーの連続にバルセロナは押し込まれた。グリーズマンのシュートをGKテア・シュテーゲンがぎりぎりで弾きだし、ガビ、コケ、グリーズマンから際どいクロスボールが放たれる。受け身になったときのバルセロナはさして強いチームではない。前半は陥落寸前だった。

 フィールドの半分にバルセロナを閉じ込め、縦への展開。押し上げる勢いを利用してセカンドボールを拾っての二次攻撃。ゲームは完全にアトレティコのものだった。35分あたりでサウールとコケのポジションを入れ替えたのはシメオネ監督の指示だろう。サウールがピケに食いつきすぎていると思ったのか。

 しかし、60分前後から潮目が変わる。ようやくバルセロナがボールを握り始め、アトレティコは撤退守備を余儀なくされた。

 強度の高いプレッシングは60分までしか続かない。これはどの試合でもたいがいそうなのだ。例外は70パーセントもの高率のボールポゼッションを実現した場合で、それ以下なら90分間は到底もたず、60分からインテンシティは低下する。

 前半はアトレティコに圧倒されていたバルセロナだが、それでもポゼッションは62パーセントあった。アトレティコの足を止める効果はそれなりにあったと考えていい。

 試合がペースダウンし、ボールを散らしてポジションの拡散にも成功したバルセロナは波状攻撃からラフィーニャが先制する。

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