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【東芝問題】社員19万人の巨大企業はなぜこんなことになったのか 決算延期の舞台裏を語り尽くす

現代ビジネス 3/2(木) 11:01配信

 本誌が先んじて報じてきた通り、東芝がついに末期的状況に追い込まれた。この名門企業はどこへ向かうのか。磯山友幸(ジャーナリスト)、小野展克(嘉悦大学教授)、竹内健(元東芝技術者)が、決算延期の舞台裏、原発事業の実情から、銀行団の本音、会社の行く末までを語り尽くす。

「数字合わせ」しかしていない

 小野 私は東芝本社で開催された2月14日の会見に出席したのですが、まさに迷走する東芝を象徴する会見でした。

 竹内 と言いますと。

 小野 綱川智社長は今回、稼ぎ頭の半導体子会社の株について、2割未満の売却としていたのを完全売却もあり得ると急遽変更したのですが、これこそ経営の体たらくです。

 そもそも、2割未満の売却ではマイナー出資で買い手にメリットがなく、高い価格が付かない。半導体部門の将来性を考えても、東芝の過半の出資が残ったままでは利益が原発事業の赤字に吸い取られて設備投資が滞り、競争力も失われる。

 そう考えれば、最初から完全売却を念頭に置くのが筋なのに、今回やっと銀行に迫られて検討に入ったわけですから、そこには経営戦略がない。

 記者からも、「東芝はどんな会社になるつもりか」と質問が飛びましたが、綱川社長はインフラと、原発などのエネルギー、半導体などの電子デバイスの「3本柱で行く」と答えるばかりで、要領を得ない。経営陣はどこへ向かおうとしているのかと、不安になりました。

 磯山 同感です。ここのところの東芝経営陣の言動は、長期的な事業戦略などなく、目先の「数字合わせ」に終始しているようにしか見えない。半導体子会社の扱いをめぐる動きにしても、推察するに、この裏では監査法人との激しいやり取りがあったのではないでしょうか。

 というのも、いま東芝の監査担当はPwCあらた監査法人。そのパートナーを務めていた関根愛子氏は日本公認会計士協会の会長であり、粉飾決算を起こした東芝に対して厳しい姿勢で監査に臨んでいます。

 2月14日には、予定されていた決算発表が30日後に延長される異例の事態も起きましたが、当日も会計士とのぎりぎりのやり取りが続いていたのでしょう。

 小野 はい。監査法人は東芝の決算書に、事業の継続リスクを示す「ゴーイング・コンサーン(GC)に関する注記」をつけようとしているとの話が出ています。GCは、経営破綻前のスカイマークにもつけられたもので、文字通り、会社の事業が継続できなくなるリスクがあると投資家に注意喚起するものです。

 磯山 仮にそうなれば、東芝の株価は暴落するわけですから、経営陣としてはなんとしてでも避けたい。それに半導体事業の売却益がないと3月末には1500億円もの債務超過も免れなくなるので、最悪の事態を回避したい東芝経営陣側は、半導体の過半売却に方針転換せざるを得なかった。そんなシナリオが容易に想像できるわけです。

 竹内 しかし、それこそいまの東芝は綱渡り状態での決算作りにばかり終始していて、将来的な展望は描けていないことになりますね。そうした経営陣の場当たり的な態度は、元東芝社員の私には、とても残念としか言いようがない。

 私が一連の過程を見ていて不思議なのは、いま東芝で最も稼いでいるのは半導体事業なのに、虎の子を手放してまで、巨額赤字を垂れ流す元凶である原発部門を守ろうとする経営陣の判断がまったく理解できないのです。

 磯山 おっしゃる通りだと思います。企業再生の王道というのは、事業別にグッドカンパニーとバッドカンパニーに分けて、バッドカンパニーは処理して、グッドカンパニーに資源を集中させて再生させることです。

 竹内 東芝の経営陣がいまやっていることは、その「真逆」ですよね。昨年には、目先の資金繰りをつけるため、優良事業であったメディカル部門をキヤノンに売ってしまいました。

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最終更新:3/2(木) 11:01

現代ビジネス

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