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著名エコノミストのコール氏「トランプ対イエレンのバトル警戒」

3/2(木) 22:41配信

会社四季報オンライン

 米国NYダウが2万1000ドル乗せを達成するなど、「トランプラリー」の勢いはなかなか衰えない。つれて日本の株式相場も底堅く推移する。トップクラスのストラテジスト、エコノミストとして知られる資産運用会社ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コール氏に日米両国の株価の堅調な展開の背景や今後の見通しなどを聞いた。

 ――「トランプラリー」にはいまだに首をかしげる市場関係者が少なくありません。

 トランプ大統領の施策は、株式市場や企業から見ると「建設的」なものだ。足元の株式相場の上昇はこうした側面を織り込んだものといえる。

 同大統領の政策の柱は(1)減税、(2)歳出増、(3)規制緩和、の三つ。このうち、減税については、法人税減税と所得税減税の可能性が浮上するとみられるが、所得税よりも法人税減税のほうが議会の理解を得やすい。法人税の税率が現行の35%から20%へ引き下げられると、企業の利益を12~15%押し上げると試算している。これに伴い、株主還元への期待も高まるだろう。米国の企業は配当や自己株買いなどを通じて利益の50%を還元に充当している。

 歳出増に関しては、まず防衛費の増大を打ち出してきた。これも議会の承認を得やすい。企業の設備投資増にもつながる。防衛費に比べると、インフラ投資をめぐる議論は簡単でない。今年は防衛費に関する議論が交わされ、来年から再来年にかけてインフラ投資に焦点が移るといったスケジュールになるのではないか。

 規制緩和についての話し合いも同じような展開になりそう。金融改革には共和党も反対しないが、医療制度改革の見直しは議会通過が容易でない。議論は今年が金融改革中心で、医療改革が本格的に討議されるのはおそらく来年以降だろう。

 保護主義の問題は、ホワイトハウスから国境税などの「脅し」はあるものの実現したわけではない。それでも、企業側の目に「脅威」と映れば、米国への直接投資に踏み切るはず。法人税減税や防衛費増などと同様、保護主義も短期的には設備投資の呼び水になるというわけだ。

 少なくとも「ファーストステップ」だけを考えれば、米国景気にマイナスに働くとは想定しがたい。これが株高につながっているのだ。

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