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希代の名ドリブラーから驚異の長寿選手に… カズが描いた“生き残る術”

3/3(金) 22:20配信

THE ANSWER

25歳のカズは想像していなかった―

「経験てなんだと言えば、相手の嫌がることを考えながらやるということ」―三浦知良

 25歳でアジア最優秀選手を始め、個人でもチームでもタイトルを独占していた三浦知良(カズ)は、選手生活の長寿をまったく想像していなかった。

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「ボクみたいなプレイヤーはキレがなくなったら終わりだから……」

 思い直して繰り出すジョークが印象的だった。

「でも今がピークだなんて思わない。もっと良くなることを信じてやっているから。一応2002年ワールドカップまでは頭にありますよ。オレがリベロで、カリオカ(ラモス瑠偉)はストッパーかな(笑)。ワールドカップは目標だけど、出たらまた次の目標が出来るだろうし、ずっと目標は上にあって到達することなくサッカーも終わるんじゃないかな。人生と同じですよ」

 当時2002年は10年後の未来で、日本代表はアジアカップを制したが、ワールドカップは経験していない。

 そしてそれから13年後にカズは語った。

衰えを食い止める努力と経験の生かし方

「キレは今でも失くさないように努力していますよ。でもどうしても瞬発力は年齢とともに落ちて来る。ただし一気に100からゼロに落ちるわけじゃないから、いかに90、さらに80で食い止めるかに努力しているわけです」

 カズは続けた。

「キレで勝負するのは、今でも変わらないと思うんですよ。でもやっぱりそれだけではダメ。今まで培ってきた経験を活かす。じゃあ、経験てなんだと言えば、相手の嫌がることを考えながらやるということですかね」

 ちょうど高速シザースを武器に、10代のクリスティアーノ・ロナウドが頭角を現して来た頃だった。

「フェイントをひとつとっても速ければいいというものではない。速いとマークする相手が混乱することはあるけれど、逆に速過ぎて反応しないこともある。1度スローダウンしてから速く、あるいはその逆もある。若い時は100%自分のペースでやっていた。でも結局ディフェンダーが一番嫌なのは、見透かされ、仕掛けられることですからね」

 この頃「スタンレー・マシューズを目指せ」というコラムを書いた記憶がある。初代バロンドール(欧州最優秀選手)の受賞者で、50歳までプロとして現役でプレーをした伝説の人。まさかこのハードワークが当たり前の時代に、本当にカズがマシューズを超えてしまうとは思わなかった。

加部究●文 text by Kiwamu Kabe

◇加部 究(かべ・きわむ)
1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』 (ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

加部究●文 text by Kiwamu Kabe

最終更新:3/3(金) 23:33
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