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『ラ・ラ・ランド』『君の名は。』が大ヒットする社会の危うさ

ダイヤモンド・オンライン 3/3(金) 6:00配信

 逆に言えば、『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』のヒットが示しているのは、スマホの使い過ぎの弊害が出始めているということではないでしょうか。スマホを使い過ぎて、多くの人が知的な面で非常に怠惰になってきているのです。

● 悪気のないオマージュに見る 作り手の著作権意識の変化

 第二の共通点は、どちらも過去の名作へのオマージュという要素が強いことです。『君の名は。』には、過去の名作アニメや映画を彷彿とさせるシーンがところどころに出てきます。この点についてアニメ業界の関係者に聞いたところ、「新海監督はパクリとも言えることを悪いとは思っていない」と言っていました。正確に言えば悪くないと強弁しているのではなく、それはアニメ好きにとってごく普通のことと思っているようで、44歳という年齢とアニメオタクという出自を考えると、自然とそういう感覚になっているのでは、と言っていました。

 そして、この点についても『ラ・ラ・ランド』は同じで、往年の名作ミュージカルを彷彿とさせる描写が散りばめられています。もちろんその理由はわかりませんが、監督が32歳という若さであることを考えると、これも新海監督と同様に、本当に悪気なく当然のように自分が好きな作品の名シーンをうまく散りばめたのかもしれません。

 これらの事実が意味するところは、著作権に関する意識の明確な変化です。私のように歳をとっていて、かつコンテンツ業界に関わっている者からすると、著作権を尊重して守ることは当たり前であり、パクリと言われかねない行為は慎重であるべきと思えるのですが、子どもの頃や多感な時期をデジタルやネットがあって当たり前の環境で過ごした若い世代やオタクたちにとっては、作り手の立場からであっても、それは古臭い非常識に過ぎないのでしょう。

 確かによく考えたら、たとえばマシンラーニングでもコンピュータによる複製という行為が絡んできますが、そこで厳格な著作権保護ばかりを主張すると、日本でのマシンラーニングの発展を阻害しかねません。

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最終更新:3/3(金) 15:05

ダイヤモンド・オンライン

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