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プリズムの光に包まれる至福の空間。吉岡徳仁が追い求める光の根源とは?

3/4(土) 19:10配信

Casa BRUTUS.com

東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催中の『吉岡徳仁 スペクトル ー プリズムから放たれる虹の光線』が、連日、多くの人で賑わっている。

本展で新作インスタレーションとガラスのベンチを発表した吉岡に作品づくりへの思いを聞いた。

新作インスタレーション『スペクトル』は、ここがギャラリーであることを一瞬忘れてしまいそうになるほど、美しい光に満ちた、荘厳で不思議な空間を生み出している。

本作の光の正体は、合計200個ものプリズムを通して放たれた光で、光線は4,000本にものぼる。それらの光が、それぞれ虹をつくりだし、空間を照らし出している。吉岡は2013年の東京都現代美術館での『TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize』にて、プリズム500個を使用した作品「虹の教会 - Rainbow Church」ですでに知られているが、今回の作品では、そのプリズムを通して放たれる光線についてこだわり抜き、美しい虹を再現することができた。

「白く透明でありながらも無限の色が重なることで生み出される自然の太陽の光を再現したくて、かなり工夫を重ねました。私たち人間は太陽がないと生きることができません。生物と光の関係性には特別なものがあると思っていますし、そこには計り知れないものがあるのではないかと思います。日本の自然観の中には、光の中に生命や神秘を見る感覚があって、それは他の国とは違う、独自の捉え方だと感じます。今回の作品では光を体験することで、物質的なものから開放され、感覚の中に存在する自然観の本質を呼び覚ますことを試みました」

来場者は思い思いの方法で「スペクトル」を体験している。光に包まれるように立って、少しずつ光に向かって歩く人、吉岡がデザインしたガラスのベンチ『Water Block - KATANA』(2016年)に座って瞑想するような人……誰もが神秘的な光、空間を愛おしむように体験しているのがわかる。

ガラスのベンチ『Water Block - KATANA』は、2002年に発表した『Water Block』、2006年に発表した『Waterfall』に続く新作となり、プリズムと呼応するような三角をモチーフとしている。ガラスが固まる瞬間を捉えたガラスのベンチは流れるような清流のようでもあり、こちらも自然の中にいるような感覚を呼び起こしてくれる。なぜ吉岡はこんなにも自然の美しさに魅了されているのかを聞いてみた。

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最終更新:3/4(土) 19:10
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