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「トランプ大統領誕生に寄与しました」 最強のユーザー事例を持つビッグデータ企業の実力

3/6(月) 15:40配信

GQ JAPAN

有権者の心理的傾向を分析して、ドナルド・トランプ大統領の誕生を支援した──。そんな“ユーザー事例”を謳う会社がある。しかし、その評価は「オンラインユーザーの心理を操作できる」から、「誇大宣伝かインチキの類い」まで、両極端だ。

【影の大統領?パーティに出席したスティーブ・バノン】

世の中には様々な便乗商売があるが、今回は「ドナルド・トランプ大統領誕生」と「ブレグジット」に便乗しようとするデータ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)という企業を紹介したい。

ドナルド・トランプ氏の大統領当選と英国のEU離脱キャンペーンのそれぞれで、我が社は縁の下の力持ちとして大いに貢献した──と、そんな謳い文句でセールス攻勢をかけている。

同社の公式サイトや『ガーディアン』によると、ケンブリッジ・アナリティカが売り物にしているサービスは、オンラインユーザーの心理的傾向の分析と分類である。約5000項目に分類された米有権者2億2000万人分のデータがあるという。これは有権者のほぼすべてをカバーする規模だ。

スティーブ・バノンのパトロン

ケンブリッジ・アナリティカの大株主は、著名ヘッジファンドのルネッサンス・テクノロジーズで財を成した米国の大富豪、ロバート・マーサーである。そのマーサーはトランプ大統領の側近、スティーブ・バノンのパトロンだ。バノンはトランプ政権のもとでホワイト首席戦略官と大統領上級顧問を兼務しており、かつてはオルタナ右翼のオンラインメディア「ブライトバート・ニュース」で責任者を務めたという人物である。

マーサーとバノンの付き合いは、様々なコネクションで見つけられる。ざっとまとめるだけでも、(1)マーサーはブライトバート・ニュースの重要なパトロンのひとりである、(2)トランプ選対に入る前のバノンはケンブリッジ・アナリティカの取締役だった、(3)マーサーはトランプ陣営に1350万ドルの選挙資金を提供した、という事実が見つかる。

マーサーは英独立党党首ナイジェル・ファラージと旧知の仲で、その縁で政治団体「Leave.EU」が脱EUのキャンペーンを張った際に、ケンブリッジ・アナリティカがデータ分析の仕事を請け負ったという。

こうした動向から、マーサーは政治状況に積極的に介入するタイプのビジネスパーソンであり、政治信条が右派であることがわかる。

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最終更新:3/6(月) 15:40
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