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効果的なアクションプラン、その秘訣は「優先順位」の付け方にある!

3/7(火) 16:20配信

HARBOR BUSINESS Online

◆アクションプランの精度が高まらない

「練習過多型」や「掛声倒れ型」で形骸化し実効性が高まらないアクションプランが実に多い。アクションプランの実効性を高めるためには、精密なアクションプラン策定シートの記入を義務づけるのではなく、あるツボを押さえた上で、付箋に次の自分自身の具体的なアクションを書き出すという方法が、実に効果的だ。

⇒【資料】重要度の基準

 その上で、書き出した自分自身のアクションの優先順位付けをして実行していくことが重要だが、その優先順位付けがくせ者だ。「分解スキル・反復演習型能力開発プログラム」に参加したビジネスパーソンに、「アクションプランの優先順位付け」をしていますか?」と聞くと「しています」と答える人がほとんどなのだが、実は、優先順位付けが機能していないケースがほとんどなのだ。

 どういうことかというと、優先順位の付け方が、「督促の強い順」「自分のやりたい仕事の順」「簡単な仕事の順」「早く終わりそうな順」に付けるケースが多いのだ。その結果、折角、優先順位を付けて、その順に取り組んでも、ビジネス目標が達成できなかったり、目標基準に到達できなかったり、締切期限どおりに進捗しなかったりケースが多発している。

 どうやら、精密なアクションプラン策定シートを作成しても、「優先順位をつけろ」と指示や命令やフォローをしても、肝心の優先順位の付け方が出来るようになっていないからだということが、実態だということがわかってきた。「アクションプランの優先順位付け」をしているが、その「具体的な方法を実践できていない」と思う人は、もしよろしければ、「分解スキル・反復演習」方式による「アクションプランの優先順位付け」の方式を試してみていただきたい。

◆アクションの重要度は目標達成寄与度

「分解スキル・反復演習」方式により、優先順位を付ける方法は、次のとおりだ。それには、翌週や翌月などの自分が決めた期間に、自分自身が実施する具体的なアクションを書き出した付箋を用いる(参照)

 まず初めに行うことは、10件のアクションを、重要度で優先順位付けをすることだ。重要度というと、これも抽象的な概念で、人によって何を重要とするかが異なる。そこで、重要度という概念も分解し、次のように定義して優先順位を立てる。

 重要なことは、余り考え込まずに、この定義に基づいて、3分間で、10件のアクションを記入した付箋の右下に、「大」「中」「小」のいずれか文字をサインペンで記入していくことだ。3分間以上掛けないことが大事だ。そもそも、アクションプランの作成に2時間も3時間も費やすのであれば、その時間をビジネス活動そのものに費やした方が良いと誰もが思うだろう。

 それに、仮にこの3つの区分が間違っていたとしても、その後のプロセスでまとめて修正していくので、大きな問題にはならない。このような、良く言えば俯瞰的な視野、悪く言えば大雑把なマインドになれるかどうかに、アクションプランの実効性が掛かっていると言っても過言ではない。

◆緊急度を目標達成と関連づける

 重要性を付箋の右下に「大」「中」「小」で記入した後は、今度は、付箋の左下に、やはり「大」「中」「小」で緊急度を記入していく。緊急度も、人によって定義が異なるので、私が展開しているプログラムでは、次のような定義で区分していく。

 重要なことは、いずれも、ビジネス目標を達成できるかどうかの基準で考えることだ。重要度を「小」とした、実施してもしなくても、目標達成できるかどうかに関係がないアクションは、緊急度も「小」となるということだ。重要度を「小」とした付箋は、緊急度も「小」と機械的に記入していく。これに掛ける時間も3分間であり、3分以上掛けない。なれてくれば、1分程度で、記入することが出来るようになる。

◆貢献度を見極める

 重要度と緊急度を付箋にしたら、最後に、貢献度を付箋に記入する。貢献度という表現を用いているが、利益貢献度である。このようにガイドすると、「利益に直結しない業務もある」「バックオフィスの仕事をしているので、算定できない」と思う人もいるに違いない。

 直接的に利益に貢献しなかったとしても、そのアクションの次工程をつなげていった結果の利益目標や、そのアクションが貢献する相手先の部門の利益目標などを紐付けていく。経費節減のアクションも利益にする。以下の表に記した金額は、一例である。ビジネスの規模により、1億円から始まる区分だったり、100万円から始まる区分だったりするだろう。

 貢献度の付箋への記入の仕方は、○印である。貢献度が大であれば、付箋一杯の大きな○、中であれば中くらいの○、小であれば小さい○を記入する。演習を実施していると、「何センチの○ですか?」という質問を受けるが、何センチかという決まりはない。自分の感覚で大、中、小が区分されればよい。「それでは、他の人と比べた時に、大、中、小が判別できないではないですか」というご意見をいただいたことがあるが、他の人は比べることが主眼ではないから、自分なりの大きさで、大中小を峻別すればよい。貢献度の記入に掛ける時間も3分である。

◆アクションプランバブルチャートの活用

 こうして、重要度、緊急度、貢献度を記入した付箋を、横軸に重要度、縦軸に緊急度を記したA3用紙2枚合わせの台紙に、貼り付けていく。すると、アクションプランのバブルチャートが作成できる。

 貼り付けていく時間は1分である。ここまでに掛けた時間は、アクションの洗い出しに5分、重要度、緊急度、貢献度の記入に各3分、計9分、台紙への貼り付けに1分、計15分である。15分で自分自身のアクションを示すバブルチャートが作成できる。演習参加者は、これを机上に張り出して、定期的に、終了したアクションをはずしたり、新しいアクションを追加したり、進捗②応じて、重要度や緊急度や貢献度の修正をしている。役に立ちそうであれば、実施してみることをお勧めします。

※「分解スキル・反復演習のスキル」は、山口博著『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月。ビジネス書ランキング:2016年12月丸善名古屋本店1位、紀伊國屋書店大手町ビル店1位、丸善丸の内本店3位、2017年1月八重洲ブックセンター4位)で、セルフトレーニングできます。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第29回】

<文/山口博 photo by AlexanderStein via pixabay(CC0 PublicDomain)>

【山口 博(やまぐち・ひろし)】株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある

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