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待望の移転オープンになったロンドンの〈デザインミュージアム〉。

3/8(水) 13:00配信

Casa BRUTUS.com

1989年に開設されて以来、デザイン界をリードしてきたロンドンの〈デザインミュージアム〉。

面積を3倍に拡張し、クリエイティブな未来につながるフォーラムを目指す。

待ち望むこと10年。ロンドンの〈デザインミュージアム〉の新館がようやく完成となり、昨年末の11月24日に公式オープンになった。

「今日は人生で一番ハッピーな日です……」と、創設者であるテレンス・コンラン卿がスピーチで言葉を詰まらせたように、長い道のりを経て成就した悲願の移転だ。

世界で初めて20世紀以降のデザインに特化し、〈デザインミュージアム〉が創設されたのは1989年のこと。テムズ川に面した倉庫を改築した旧館では、イームズからハディドまで、記憶に残る数多くの展覧会が開催されてきた。一方、常設展示のスペースなどもないことから、2006年から拡張計画が始まった。

「テートモダンの横に新築する案などもありましたが、最終的に1960年代に建てられたアイコニックな建築を改築することになりました」と館長のデヤン・スジックは言う。丹下健三の代々木体育館のように、当時の最先端をいくハイパボリック・パラボロイド屋根を持つ建物だ。外観はOMAらによってオリジナルに近く修復、内観はジョン・ポーソンのデザインで改築されている。

外からは屋根のフォルムはわかりにくいが、エントランスを抜けると、天井まで3フロアが吹き抜かれたアトリウムが目の前に現れる。巨大なコンクリート・シェル構造の天井とそれを囲む「羽」が、その圧倒的な存在感を見せる。ベンチも兼ねた幅の広い階段が上の階へと導く。2階と最上階となる3階のフロアは、アトリウムを囲んで口の字形に配され、どこからでも彫刻的な天井と館内を見渡すことができる。

「単にグッドデザインを見せることが目的ではありません。デザインの役割や影響、社会や経済との関係について考え、クリエイティブな未来につながる場を目指しています」ということで、最上階では旧館で果たせなかった常設展示を無料公開する。「デザイナー、メーカー、ユーザー」というタイトルで、建築、プロダクト、ファッション、グラフィックなど約1000点を展示。これらがいかにデザインされ、作られ、使われてきたか、総合的な理解を促す。

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最終更新:3/8(水) 13:00
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