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レアルを「イラつかせた」ナポリ。“3%”の可能性にかけた3つの仕掛け

3/8(水) 11:58配信

フットボールチャンネル

ナポリは現地時間7日、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16の2ndレグで前回王者レアル・マドリーと対戦。アウェイでの1stレグに続いてホームでも1-3の敗戦を喫し、2戦合計スコア2-6で敗退が決まった。ナポリのマウリツィオ・サッリ監督は突破の確率は「3%」と語っていたが、逆転突破に向けて3つの仕掛けで挑んでいった。前年度王者をイラつかせた3つの戦術とは。(取材・文:神尾光臣【ナポリ】)

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ナポリ、敗退もレアル相手に善戦。CL王者をイラつかせた3つの要素

「我われが勝ち抜ける可能性はせいぜい3%ぐらいだろう。でも、挑戦したい。せめてレアルを“イラつかせる”ぐらいのことはしたい」

 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグ、ナポリvsレアル・マドリー戦の前日会見で、ナポリのマウリツィオ・サッリ監督は俗語表現を交えながらそう語った。昨季のCL覇者相手に、1stレグを3-1で落とした時点で不利は相当なものだった。そして結果は、今度はホームでまたもや3失点。スコアだけを見れば、相手を苛立たさせるどころか軽くあしらわれて終わったと酷評されても仕方のないものだ。

 だが試合を観た方の中には、前半が終了した時点で大逆転の勝ち抜けもあるのではないかと思われた方も多かったのではないだろうか。事実ナポリは、3%の可能性を引き寄せるだけのサッカーを実行していた。

 CLアンセムに始まり大声援を送るホームのファンの後押しを受け、相手を崩して点を取り、前半で放ったシュートは11本。CLでレアル・マドリーがこれだけ押されたのは、2013年11月のユベントス戦以来のことだったという。

 前半の善戦を演出した要素は3つあった。徹底したハイプレスによるビルドアップの寸断と、レアル・マドリーの戦術的な弱点をショートパスで突いた攻撃、そして“ニセ9番”ドリース・メルテンスを効果的に使ったフィニッシュワークだ。

ハイプレスにハマったレアル。不正確なキックで逃げた前半

 まずはハイプレス。全体を高く押し上げた上で、3トップが前線から果敢にボール保持者を追い回すサッカーはこのチームの持ち味で、この試合では大いに徹底されていた。DFラインにプレスを掛けて前に繋がせないのはもちろんのこと、ルカ・モドリッチやトニ・クロースにパスが渡ればすぐ複数の選手で囲み、前後左右のパスコースを徹底的に切り続けた。

 このプレスの網に、レアル・マドリーはハマった。1stレグでリードを築いていたためか、彼らはラインを慎重に下げて少ない人数で攻めるサッカーを心掛けていた印象だったが、それがパスワークの寸断に拍車を掛ける。ナポリの選手たちに追いかけられた挙句、パスコースに困った後方の選手たちは不正確なミドルキックに逃げ、相手に奪われるかタッチラインの外へ出してしまう。それも珍しい光景だった。

 ともかく、そうしてボールをものにしたナポリは、左サイドにボールを集めて攻撃を図った。これが第2のポイントである。もともと今のナポリは左サイドを中心に組み立てるサッカーを展開するが、この日はレアル・マドリーのウィークポイント攻略のために自らの強みを活かした。

 ウイングのギャレス・ベイルと中盤のモドリッチ、そしてサイドバックのカルバハルで結んだ三角のスペース。ここが、どういうわけかルーズになる。そしてナポリはここを起点にして素早いパスワークを展開した。

 ぽっかり空いたそのサイドのゾーンにはまずロレンツォ・インシーニエが前線から落ちてきて、すぐにボールを呼び込む。するとその周りにはマレク・ハムシクやファウジ・グーラムらが走ってパス交換。レアル・マドリーの選手たちよりも常に速く、人とボールが動いた。

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