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アダストリアのサステナブル型ブランド「フォードット」 沼倉R&D室長が思いを語る

3/10(金) 10:14配信

WWD JAPAN.com

アダストリアのサステナブル型ブランド「フォードット」 沼倉R&D室長が思いを語る

 アダストリアは新たに、日本のモノ作りの技術とクリエイターのセンスの化学反応を起こさせるサステイナビリティ型の“メード・イン・ジャパン・プロジェクト”兼ブランドとして「フォードット(FOH.)」を立ち上げた。今秋、200坪(660平方メートル)規模の直営路面店をオープン予定で、同時にECをスタート。将来的にはアダストリア初のセレクトショップなどへの卸売りも視野に入れる。

 参画するのは、産地・メーカーとして、吊り裏毛で知られる東紀繊維、ニットの一環生産で知られる佐藤繊維、ダウンの洗浄のスペシャリストのザンター、ツイードの日本ホームスパン、そして、匿名のデニム生地メーカーの5社。クリエイターとして起用したのは、「ファクトタム」の有働幸司デザイナー、「マーカ」の石川俊介デザイナー、「アナログライティング」の山本威史デザイナー「ユウミアリア」の鈴木ゆうみデザイナーだ。

 プロジェクトリーダーを務めるのは、エグゼクティブ・クリエイティブ・オフィサーの沼倉聡アダストリア執行役員R&D室長だ。「オンリーワンの技術を持っているところと組んだ。熱い考え方や技術に触れると、熱さが連鎖する。このプロジェクトの世界観を表現できる店を最大限に作るために、店舗は集約する。カフェも併設し、陶器や什器、メガネ、ハットなども扱っていく。まずは1店舗を出店。国内は2店舗程度にとどめ、海外で日本の技術やモノの良さを伝える拠点を作っていきたい」と意気込む。

 サンエー・インターナショナル(当時)やユニクロを経て、2012年にポイント(当時)に入社した沼倉R&D室長。「『グローバルワーク』のリブランディングが最初のミッションだった。その事業を行っていた頃から、割れた陶器が金継ぎの技術で新しい顔に生まれ変わるのがすばらしいと思い、洋服でも日本の技術を改めて見直すようになった。以前、大手SPAで価格追求、価格訴求に重きを置いて仕事をしていたが、安いものを作ることで国内の生産技術が空洞化し、中国や東南アジアに技術が流れ、継承されずに失われていくことがもったいないと思った。福田(三千男)会長にプロジェクトの話をしていたが、1年半前にやろうということになり、話が進んだ」という。

 デザイナーの選択理由は、「最初なので、この方にお願いしたらこういう商品ができるというものが見えることが一つ。もう一つ、全員ご自分のブランドを持ち生計を立てている方々であり、芸術家のように自己満足で終わらないということが理由だ。『ファクトタム』はデニム、『マーカ』にはミリタリー、リメイクを、『アナログライティング』にはフェミニン、『ユウミアリア』にはリメイクをお題に作ってもらった」。
ザンターのダウン素材以外はオール・ジャパンメイドで、価格はボトムスで2万円、アウターで5万~10万円とけして安くはないが「なるべく、無理のない価格を努力して、利益を取らずに設定することを考えている。今までアダストリアがやってきたとこと違う、CSRという考え方もある。だから、売り上げ目標も想定していない。ぶれないモノ作りをしたい」と続ける。

 また、「OEM、ODMで成長してきた会社であり、基本的なモノ作りの考え方が分かっていない人もいる。最初から最後までモノ作りを見せるなどして、社内の人材育成にもつなげたい。スタッフや学生向けのワークショップなども店舗で行っていきたい。将来は染色・加工なども含めて、取り組み先を増やしていきたい」。

最終更新:3/10(金) 10:14
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