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携帯に届いたメール『ありがとう』――被災地での「霊体験」を初告白。遺族たちはこうして絶望から救われた

デイリー新潮 3/10(金) 18:30配信

●突然動き出したおもちゃの車

 宮城県石巻市で3歳の息子を失った母親の体験である。震災から2年後、息子の仏壇に声をかけた瞬間、息子が生前に好きだったおもちゃの車が突然動き出した……。スイッチの付いた電動式のおもちゃで、勝手に動くことはありえない。その後も、「もう一回、動かして見せて」と息子に願った瞬間、おもちゃはまた動いた……。そして、女性は息子を見ることになる。『ママ、笑って、笑って』と言っていた息子。『ママ、どうして怒ってるの』と変な顔をして母を笑わそうとする息子……。女性の胸中には、「ありがとう」「私も笑わなきゃだめだ、頑張らなきゃだめだ」という思いが去来したという――。

●3歳の孫娘が伝える『イチゴが食べたい』

 宮城県南三陸町で、娘婿と孫娘を津波で喪った女性は、震災後3年目の夏、落ち着きを取り戻した中で、孫娘が夢にあらわれるようになる。『イチゴが食べたい』『じゃがりこが食べたい』と生前好きだった食べ物について、女性に話しかけてきた……。
そして、毎年3月11日が近づくと、なぜか、テントウムシが目の前に……孫娘は、『テントウムシになりたい』とよく夢を話していたのだ。テントウムシがあらわれるたびに、女性は、心がときめくという。

●被災者の2割におよぶ「霊体験」

 これらのケースは、奥野氏が聞き取った遺族たちの告白の一部である。
奥野氏は、がん治療についての著作もあるなど、極めて科学的な視点をもつ作家で、幽霊は信じていない。だが「霊体験」に関心を持ったきっかけは、在宅緩和ケアのパイオニアとして宮城県で2000人以上を看取った医師(故人)を取材する過程のことだった。医療の現場で自身の患者の約4割が「お迎え」を体験することを知る、その医師は、奥野氏に「お迎えと同じだよ。きちんと聞き取りをしたほうがいい」「被災した人の2割が(霊を)見たという話もある」と、取材を薦めた。当初はためらった奥野氏だったが、その医師は、末期のがんで余命いくばくもなく、最後の言葉に背中を押され、「死者と生者の物語」を聞くという旅に出たのだった。
度重なる聞き取りを行い、妄想や虚言を排した、実名で“告白”された「死者と生者の愛の物語」が、奥野氏の優しい筆致で伝えられる。
「霊体験」とは遺族たちにとって、“奇跡と再生”につながる、“かけがえのない体験”だったことが、いま、明らかになった。

 奥野修司さんの『魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く』は発売中です。

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最終更新:3/14(火) 12:27

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