ここから本文です

世界一奪還へ、侍ジャパンに「熱さ」をもっと。欠かせない男、松田宣浩の存在

3/11(土) 17:00配信

BEST TIMES

ペナントレースではできない応援ができる侍ジャパンの魅力

 やま~だてつと! と声を張り上げ、「夢へと続く道」でテンションを高める。
 豪快な一発を願い「ホームランかっ飛ばせ筒香!」と目いっぱい叫ぶ。
 ソフトバンクの松田宣浩が本塁打を放てば、「熱男! (アッツォ~! )」と拳を振り上げる。

 ペナントレースではできない応援も、国際大会ならば胸を張ってできる。
 俺たちも侍ジャパンなんだ、と。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本は2次ラウンドまでホームの東京ドームで戦う。侍ジャパンの世界一奪還を切望するファンがひとつになり、想いを応援歌や声援で体現する。
 実にいい。だからこそ、少しだけ温度差も感じてしまうのだ。

 選手たちも、もっとファンに乗っかっていいのではないだろうか――。

 WBCは野球の「真の世界一」を決める、4年に一度のビッグイベントだ。2013年の前回大会では準決勝で敗退し3連覇を逃しているだけに、チームは「是が非でも優勝」と並々ならぬ覚悟で大会に臨んでいるし、戦いぶりからもそれは十分に伝わってくる。

 真剣勝負の舞台だから悲壮感があっていい。だがもっと、プレーに対して感情をむき出しにしてもいいのではないだろうか。無論、それが喜びの表現であればベストである。安打や本塁打、得点シーンだけでなく、バントや守備でのアウトひとつでもベンチから乗り出すくらい、全身でもってチームメートを鼓舞し、称える。極端くらいがちょうどいい。そうなれば、士気だってより高まるだろう。
 事実、侍ジャパンにはそういう姿勢を、身をもってけん引できる選手がいるのだ。

「バカになってやっておけば良かった」と後悔しないように

 「選手ってグラウンドに立てば誰だって自然と真剣になるんですね。それだったらね、『もっとバカにならないと』って思うんです。試合でも練習でも、バカになって努力する。若い選手とかは『恥ずかしい』とかあるのかもしれないけど、後になって振り返った時に『もっとバカになってやっとけばよかったな』って後悔するくらいなら、最初からそうやったほうが絶対にいいと思う」

 侍ジャパンのムードメーカーである松田は、かつてそうはっきりと言っていた。長嶋茂雄への敬意から、代表では背番号3を自らの意思で選び、今季からソフトバンクでも同じ番号を背負う。WBCでは1次ラウンド3試合でトップの打率5割4分5厘をマークし、1本塁打、5打点と爆発した。大事な初戦であるキューバ戦で、5回に相手を突き放す3ランを放ったシーンは鮮明に思い描けるし、ベンチ前で叫んだ「アッツォ~!」の咆哮は、間違いなくチームと球場のボルテージを上げた。「サードを守る背番号3」は、プレーと姿勢でチームを引っ張っているのだ。

 松田のエンターテイナー性は、言うまでもなく侍ジャパンだけで発揮されているわけではない。これは、松田の原点である。

 きっかけは大学時代まで遡る。

 亜細亜大に入学当時、周囲には甲子園常連校から来た名の知れた選手が多かった。「今はまだ実力では勝てない。でも、誰よりも元気を出すことができる」。練習から誰よりも声を出し、チームを盛り上げた。自身を奮い立たせることで自信をつけ、希望枠でプロ入りする選手にまで成長を遂げたわけだ。

 松田は、自分の姿勢をこう語っている。

「みなさんは、11年に内川さんがホークスに来てから僕が大声を出すようになったとか、実績を作ってからそうなったとか思っていますけど、それはもともとのことなんで。スマートに野球に取り組むのも大事かもしれないですけど、僕にはそれは絶対に合わないから。1軍でも2軍でも変わらず声を出す。元気いっぱい野球をする。そうやってここまで来ましたし、それはずっと変わらないです。自分のプレースタイルなんで」

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

出版社ベストセラーズの編集者が作る「感情を揺さぶる」情報マガジン「BEST TIMESベストタイムズ」。