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お蝶夫人、島耕作、あぶない刑事…『スーパーサラリーマン左江内氏』はパロディ応酬で最終話へ

3/12(日) 14:02配信

リアルサウンド

 最終回を目前にした『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)第9話は、パロディーネタの応酬と最終話へと謎を残す伏線が描かれた。

 今週、舞台となったのは、左江内英雄(堤真一)の勤務先であるフジコ建設営業3課。簑島課長(高橋克実)が部長に昇進することになり、そのことを知った英雄の妻、円子(小泉今日子)は夫が課長になると勝手に思い込む。しかし、実際は別の課から来たものが課長の椅子に座ることに。円子をぬか喜びさせてしまっていることに思い悩む英雄であったが、円子は「課長昇進! おめでとう」と題したサプライズパーティーを開く。課長夫人を捩ったお蝶夫人(『エースをねらえ!』)の姿で登場する円子。金髪巻き髪ウィッグにピンクのワンピースという派手な衣装も着こなしてしまうのだから小泉今日子、流石の一言である。

 さらに、簑島の課長代理としてやってきたのは営業2課からやってきた島(宅麻伸)。その堂々とした風貌といい、役柄といい、まさしく『課長島耕作』(フジテレビ系)そのものだ。そして、ここからが凄かった。「おい! 元気か!」と池杉照士(賀来賢人)に声をかける島。簑島が「あれ? 以前、池杉と何か?」と問いかけると島は「ええ! 以前、同じところに!」と答え、島はひたすら「おい! 元気だったか! おい!」と池杉に話しかける。この“おい”は“甥”のことでもあり、実際に宅麻伸と賀来賢人は甥の関係にあるのだ。賀来賢人の父の妹が賀来千香子で、その元夫が宅麻伸である。池杉はこの問いかけに対し、「以前、同じような部署……? カテゴリー……? 集団……?」と濁らせる。現実の関係さえもネタにしてしまう共演は、ドラマの概念を覆してきた福田雄一監督だからこそ成せる技であろう。

 社長宅で発生した強盗事件をスーパーマンとして解決した英雄は、スーパーマンの存在を忘れる忘却光線をオフにし社長にピンチを救ったことを印象付ける。このことにより英雄は係長から一気に部長へ。簑島は課長に逆戻りとなってしまう。簑島の家庭を心配した英雄は、池杉と共に変装して社長をドラム缶に誘拐。そこに簑島が助けに来ることにより今度は簑島の株を上げようという作戦だ。スーツにサングラスをかけた英雄と池杉は『あぶない刑事』(日本テレビ系)の名コンビ、鷹山敏樹(舘ひろし)、大下勇次(柴田恭兵)の2人にそっくりだ。わざわざ埠頭で撮影しているのもニヤリとさせるポイント。英雄が「OK! トシ!」と仕掛け、池杉が「ユージだよ!」、英雄が「欧米か!」とツッコミを入れているのは、『あぶない刑事』の「タカとユージ」と芸人の「タカアンドトシ」をかけたものである。さらに、パロディーは続く。簑島は金髪ウィッグを被り、ドナルド・トランプに。3人の作戦は失敗に終わり、社長から「君たちはクビだ!」と宣告されると簑島が「You're fired!」と叫ぶ。時事ネタを織り込んだ鮮やかな展開だ。

 そして、毎話違った職業で登場していた謎のフリーター米倉(佐藤二朗)が今週は大きな謎を残していた。「私たちは初対面ではないんですよ」、毎回初対面のはずであった英雄にそう告げる米倉。そして、米倉と喋り終えた英雄は「あれ? ここに誰かいたよな……? 誰かと話したような気がしたけど」とまるでスーパーマンの忘却光線を浴びたあとのような展開に。前回、エリア毎にスーパーマンが存在することが明らかになったことを考えると、米倉が何者であるのかが見えてくる。最終回のあらすじと予告動画では、スーパーヒーローを放棄した英雄の係長という座、そして左江内家の夫というポジションを、米倉が奪っていく物語となる。物語の最後の鍵を握るのは米倉のようだ。

渡辺彰浩

最終更新:3/12(日) 14:02
リアルサウンド