ここから本文です

J3開幕戦で成長の跡を見せた久保建英。課題のコンタクトプレーでは──

3/13(月) 6:00配信

SOCCER DIGEST Web

プロの舞台で示した成長の跡。

「(開幕戦特有の雰囲気がある)夢の島で90分やれたことは良かったと思います」。久保建英、15歳。昨季、J3でプロデビューを飾った少年は2トップの一角を担い、成長した姿を披露した。

【久保建英PHOTO】J3初先発で敗北も異彩を放つ

 
 FC東京U-23の一員として、カターレ富山とのオープニングゲームに臨んだ。序盤から前線に良い形でボールが入らず、思うようなプレーができない。それでも、前を向いた状態でパスを受けると、躍動感のある動きをみせた。「攻撃のところで非常に良いプレーを出していたと思う」と語ったのは中村忠監督。正確なファーストタッチで相手を外すと、あわやゴールという場面を演出した。20分にゴール前に走り込んだネイサン・バーンズにスルーパスを送り、58分にも同じような形から背後のスペースにボールを配給。いずれも得点に繋がらなかったが、質、スピードともに申し分のないパスだった。
 
 対峙した富山の右SB、山形辰徳も対応に苦慮した事実を明かす。
 
「前を向くと危険な雰囲気があるので、注意してやらないといけなかった。彼はフィジカル勝負を避けて、交わせる技術を持っている。変にフィジカルで負かしてやろうと思うと、簡単に交わされてしまうのがオチ」
 
 昨季はフィジカルで相手に圧倒され、なかなか崩しの局面で存在感を示せなかった。それを踏まえれば、前を向いて仕事をする機会が増えたのは成長の証だ。

「まだJ3のレベルに達していないけど…」。

 とはいえ、昨年のJ3で浮き彫りになったフィジカルの問題をすべて克服できたわけではない。容赦のないボディコンタクト。球際での競り合い。この日も判断が遅れれば、相手に潰された。
 
 例えば42分のシーンだ。スローインから左サイドでボールを受けると、瞬く間に3人が久保を囲んだ。最終的にファウルとジャッジされたが、身体をぶつけられるとバランスを容易く崩してしまった。当然、体格で劣る15歳だ。身体付きの違う大人に対して思うようにボールキープできないのは無理もない。しかしながら、避けては通れない課題だ。
 
「攻守の切り替えや球際。そこをもっとやっていけば、存在感は出てくると思う」と中村監督。フィジカル面の強化は、今季も取り組まなければならない。
 
「全体を通じての自分の感想は、まだJ3のレベルに達していないけど、去年と比べると成長していたなと感じる」
 
 久保は試合後にそう語った。現状に満足はしていない。今季はJ3の舞台に立つ機会が昨年よりも多くなり、富山戦のようにフルタイム出場する試合も増えてくるだろう。そのなかで大人のサッカーに適応していけば、東京ヴェルディ時代に森本貴幸(現川崎フロンターレ)の15歳9か月8日を塗り替える、J最年少ゴールの記録更新も遠くはない。
 
 少なくとも、開幕戦で見せた久保のプレーは、可能性を十二分に感じさせるモノだった。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
 

最終更新:3/13(月) 6:00
SOCCER DIGEST Web