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谷垣前幹事長、頸髄損傷での長き不在 自ら食事も

デイリー新潮 3/14(火) 5:59配信

 男が食堂のテーブルを前にぽつねんとしている。そこに女性が現れる。彼は彼女と一言二言交わす。寂しき食卓に華が加わったようにも映る。しかし、やはり侘(わび)しさは拭いきれない。それは、彼女が家族や友人ではなく病院スタッフだからである――。昨年7月、ロードバイク乗車中に転倒し、大怪我をした谷垣禎一前自民党幹事長(71)は、以来、一切表に姿を見せていない。

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 2月後半某日の朝、谷垣氏は8階建ての病院の最上階にある食堂にいた。

 昨夏の事故で、最悪の場合四肢が麻痺してしまう頸髄損傷を負った彼は、別の病院で手術を受けた後の昨年10月、長嶋茂雄氏が頼ったことでも知られる、ここ「初台リハビリテーション病院」(東京都)に移った。

「転院当初、谷垣さんはスプーンを持つこともできなかったため、食堂と同じ8階の特別室(個室)で、スタッフにスプーンで食事を口に入れてもらい、栄養を取っていた」(政界関係者)

 遂には、再起不能説まで流れた谷垣氏だが、この日はスプーンを右手で握り、自ら食事を口に運んでいた。随分、回復したかに思える。が、気になる点がないわけではなかった。

 まずスプーンを持つ手には、プロボウラーが嵌(は)めるグローブの如きプロテクターが装着されていた。それは手首から指を覆い、数本の指を一緒に束ねる役目を果たしているようだった。

 JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター長の川口浩氏の解説。

「指なり手なりの筋肉を自主的に動かす力がまだ充分ではなく、2、3本まとめることで、1本分の指の力を出せるように固定しているのではないでしょうか」

■「深刻かも…」

 また食事を開始する時、彼は白いエプロンを首からさげたのだが、それを付けたのは自身ではなく、件(くだん)の女性スタッフだった。

「あそこの病院は、リハビリの意味を兼ねてエプロンを自分で付けさせる。つまり、谷垣さんはサービスでエプロンを付けてもらったのではなく、自分では首の後ろに手を回せないということです」(医療関係者)

 さらに谷垣氏は、食事の際に着席していた。無論、立って食べる人はいないが、彼が座っていたのは単なる椅子ではなく車椅子だった。

「谷垣氏のようなケースでは、受傷後3カ月間に劇的に、その後の3カ月間は緩やかに回復し、以降はほとんどフラットな状態が続くのが一般的です。彼は受傷から7カ月が経過している。自立歩行を復帰と考えた場合、現時点で車椅子での移動というのはやや深刻かもしれません」(川口氏)

 一方、「救い」がないわけではない。食後、エプロンを外してもらった彼は、指を固定された右手でタブレットを操っていた。

「喋るのはもちろん、iPadでニュースを見たり、メールを送ったりすることは問題なくできます」(前出政界関係者)

 つまり、安倍晋三総理の森友学園問題や、谷垣グループを巻き込んだ「大宏池会構想」といった政局の話題には常に触れていることになる。その先に、自らの国会復帰を見据えていることは想像に難くない。

 谷垣事務所は言葉少なにこう説明した。

「一日も早い復帰に向けてリハビリに専念しております」

 ――1時間弱で食事を終えた谷垣氏は、「1日最大3時間のメニューが課される」(事務所関係者)というリハビリの場へ、車椅子を押されて戻っていった。彼の視線はやや下方に向けられていた。その姿には「孤闘」の過酷さが滲んでいるようでもあった。

ワイド特集「春の嵐おさまらず」より

「週刊新潮」2017年3月9日号 掲載

新潮社

最終更新:3/14(火) 11:52

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