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「洗面・トイレ」にまつわるメモ<ひとり暮しの手帖>

幻冬舎plus 3/15(水) 6:00配信

山田 マチ(作家)

 
 洗面台はあるのですが、冬場は寒いので、台所で歯をみがいたり顔を洗ったりしています。マメに湯のみや皿を洗わないといけないので、これはこれでいいのかもしれません。

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 ポンプ式のハンドソープは置かず、ふつうの固形せっけんを使っています。顔も同じので洗っています。

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 ちょっといいホテルに泊まったとき、アメニティに固形せっけんがあったら、ちょうだいしてきます。1泊じゃあ使いきれませんもの。洗面用や銭湯用として使わせてもらってます。

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 ベストなせっけん置きが見つからなかったので、とりあえず仮にと、食器棚に眠っていた器を使ってみました。ドレッシングを入れるような小さなガラスの器に、せっけんをかたむけて入れています。べたっと置かないのですぐに乾いて、見た目もまあまあ。もう何年もこのままです。

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 歯間ブラシや糸ようじは、おちょこに立てています。ちょうどいいです。

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 歯を白くするとか、歯茎を健康にとか、世の中には様々な効能をうたう歯みがき粉があり、ついふらふらと手に取りそうになりますが、結局私は、クリアクリーンが好きなのです。どうせクリアクリーンに帰ってくるのです。クリアクリーンEXとかプレミアムとかでもなく、ふつうのでいいのです。もう金輪際、浮気はしません。

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 クリアクリーンが好きな理由のひとつは、携帯用超コンパクトケースの存在。歯ブラシの持つところが短くて、ポーチにすっきり収まります。クリアクリーンだけに、スペアの小さな歯みがき粉はどこでも手に入ります。ただ、肝心の超コンパクトケースがなかなか売っていないので、見つけたら買いだめしています。とくに緑色のケースは希少です。

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 洗面台の鏡は、うっかり放っておくと汚れています。しかしうっかりきれいにすると、うっかり真実と向き合うはめになります。顔の調子がいいときに磨きましょう。

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 洗面台のそうじについては、迷走しつづけています。親戚のおばちゃんが編んでくれたアクリルたわし、小さく切ったメラミンスポンジ、古着のハギレ、などを使ってきましたが、どれも正解ではないような気がしています。置きっぱなしにしておいて、気づいたらさっとそうじできる、というのが理想です。いまは、5枚300円で買った、ポップな色のマイクロファイバークロスを使っています。薄手ですぐに乾いて見た目もいいのですが、もう一歩。もっとマメにそうじしたくなる、便利でかわいいグッズがあるはずです、きっと、百均とかに。

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 ひとりだと電気代がもったいないので、トイレの便座のあたため機能は使っていません。ひやりとする時期だけ、カバーをつけています。

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 トイレに流せるおそうじシートは、便利ですね。詰め替え用を買いつづけているのですが、さすがジャパンクオリティ、ケースが全然壊れません。もう何年も使って、プリントがはげてきてるのに。このままいくと、無地になるのではないでしょうか。

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 ウォシュレットのないトイレだったころ、赤ちゃん用のおしりふきを使っていました。さすが赤ちゃん用、肌ざわりもふんわりやさしく、すっきり、さっぱりです。

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 ウォシュレット付きトイレのある部屋に越してきました。けれど古いタイプのせいか、あたりどころが、いまいちです。たまにホテルなんかで、「こ、これはっ!!」と感動すらおぼえるドンピシャなものにめぐりあいます。自分にぴったりのウォシュレットを自宅に導入するという夢を、いつか叶えたいです。

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 トイレットペーパーを買いたてだったのに、すっかり忘れて、また買ってきてしまいました。16ロールも置くスペースなどありゃしません。いつもより多めに使っております。

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 トイレブラシは、小さくて安いのがいいです。ふだんは存在感がなく、汚れたら躊躇せず買い換えられます。今使っているものは、吸盤でタンクの横にぴたりとくっつきます。しゃがまずに取れるので、めんどくさがりの私でも手が伸びます。床に置かないと、ほこりもたまらず、掃除機がけもラクですよ。

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 かわいい女の子からプレゼントで、アロマキャンドルをもらいました。いつ、どのように使えばいいかさっぱりわかりません。どこかにしまったら存在を忘れてしまいそうなので、なんとなく洗面台の窓辺に置きました。もしかしたら防災やキャンプや花火に役立つかもしれないと、なんとなくそのままにしてあります。

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 ちょっと色気を出して、洗面台に、スティックをさして香りを楽しむというフレグランスオイルを置いてみました。オレンジやレモンなどの爽やかな香りです。しかしその横にはトイレがあり、香りでごまかさないと宣言する無香の消臭ビーズが置いてあります。ニオイを喰う、と書いてあります。さわやかな柑橘の香りも、そいつに喰われているのでしょうか。

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 消臭ビーズを、洗面台で詰め替えていましたら、一粒ころりとこぼれました。拾おうとしても、指先でつまめず、すぐにあきらめました。いつか消えてなくなるだろうと、手や顔を洗いながら、イクラのような透明な粒を眺めています。

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 トイレの神様がどっかで見てるなんて、いやですね。

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 実家は今でも大家族。たまに帰ると、洗面台には、誰のものか、いつのものか、何に使うのか、どこの国のものかもわからない、さまざまなクリームやスプレーが置いてあります。携帯用の歯ブラシでシャカシャカと歯を磨きながら、「私はここから逃れてきたのだなぁ」と思います。


■山田 マチ(作家)
著書に『山田商店街』、児童書「山田県立山田小学校」シリーズ、絵本『のんびりやのサンタクロース』(あかね書房)、絵本『てのりにんじゃ』がある。

最終更新:3/15(水) 6:00

幻冬舎plus

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