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結婚できない女:もう誰も愛せない…。泡沫の夢と知りつつも囚われる、昔の大恋愛

東京カレンダー 3/15(水) 5:20配信

熾烈を極める東京婚活市場。

その中で「結婚したいのに結婚できない」と嘆く女には、いくつかの共通点がある。

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ある行動により自分の市場価値を無駄に下げる女、逆に実態なく価値を上げ過ぎて機会損失している女……。

これまで、24時の誘いに乗る女、都合のいい女、提案してしまう女、王子様を探す女、食事会NG通告を受けた女、〆のラーメンに行く女、花嫁修業する女、自分だけ100点の女などの事例を紹介してきた。

今回は、「もう誰も愛せない…」と悩む、アラサー女のお話。

フラッシュバックする、甘く切ない記憶

目黒駅から徒歩10分。ひとりで暮らす自宅マンションに戻った綾香は、玄関扉を閉めると同時に「ふぅ」と大きくため息をついた。

今夜は、以前お食事会で出会った幸太郎との、3度目のデートだった。

メガバンクに勤める幸太郎は32歳。30歳の綾香と歳の差もちょうど良い。そして何より重要な結婚願望についても、大いにあると明言していた。

「早く落ち着いて、仕事に邁進したいんだ。」

そう語る幸太郎は、誰の目から見ても明らかな、結婚向きの男である。綾香にプレッシャーをかけないよう気を遣いながらも、遠回しに好意を匂わせてくる。

美男子ではないが人のよさそうな丸顔。おしゃれではないが、無難で清潔感のある身のこなし。

―ここで手を打つのよ。

頭の中の天使が、綾香に忠告する。

綾香も、それが正しいと頭ではわかっている。しかしよりにもよって今宵、幸太郎が二軒目の店に『Vin Apres』を選ぶとは。

エントランスの風景、カウンター越しに見える景色、ワインリスト…そのすべてが、遠い昔に綾香が胸の奥に仕舞いこんだ、甘く切ない記憶を呼び起こす。

そう、『Vin Apres』は、綾香が昔付き合っていた男・修一と、男女の関係となった日の夜に、訪れた店だった。

私、もう誰も愛せない…

修一と出会ったのは、綾香が26歳の時だ。

知人の紹介で入所した個人経営の弁護士事務所で、初めて担当することになった弁護士が、修一だった。

10歳年上の36歳、長身に高給そうなスーツを着こなし、胸元に弁護士バッチを光らせる修一の姿は、26歳の綾香が憧れる、大人の男そのものだった。

綾香が淡い恋心を抱くのも、修一がそんな綾香に言い寄るのも、時間の問題だった。

2人は弁護士と担当秘書。周囲にばれないようデートを重ねる2人の関係は、秘密を共有することでさらに燃え上がる。

『Vin Apres』で、修一がそっと綾香の手を握り、耳元でこう囁いた時、綾香の気持ちは、もう引き返せないところまできてしまっていた。

「綾香、愛してる。…でも、すまない。僕は、結婚している。」

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最終更新:3/15(水) 5:20

東京カレンダー

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