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多様性に寛容なオランダで、Geert Wilders 率いる自由党が勢いを増す!?

3/16(木) 7:10配信

MEN’S+

2017年の今年も、欧州は熱いのです。オランダ総選挙、フランス大統領選、ドイツ連邦議会選挙と、注目選挙が続きます。そんななか、2017年3月15日(現地時間)にオランダで実施される総選挙に現在、注目(日本では密かに…)が集まっています。投票も開始しました。

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 オランダと聞いて思い浮かべるのは何でしょうか…。チューリップ、水車、アンネ・フランクの家…、そしてイメージは、エコフレンドリーな国家、世界で初めて同性結婚を認めた国家などと、多様性を尊重し多民族に寛容な成熟国家として認識している方も多いのではないでしょうか。
 
 で、この方の登場です。そんなオランダでいま、このヘルト・ウィルダース氏率いる極右・自由党(PVV)が存在感をじわりじわりと高めています。ブロンドの“ライオンヘア”がトレードマークのウィルダース党首は、イスラム系移民排斥と反欧州連合(EU)を掲げているのでした。彼のイスラム系移民排斥は徹底していて、「コーラン禁止」「モスクの閉鎖」などを唱えているのです。
 
 多文化主義の国家で、いま何が起こっているのでしょうか。

ポピュリズムといった潮流がオランダにも波及!?

 ウィルダース氏が支持されるいくつかの理由は、まずオランダという国で長年に渡るリベラルな移民政策を巡る都市部のエリート層に対する一般市民の怒りが、ウィルダース氏人気の源となっています。
 
 オランダの現首相・ルッテ政権下で進められた財政緊縮は、オランダ国内のエリート層や富裕層よりも、低中位の所得層にはるかに大きな打撃を与えたため、ウィルダース氏が強調する不公正感や不平等感が増幅してしまったという要因が挙げられています。
 
 しかし、実はオランダの経済面は、それほど深刻な状況には陥っていないのが現状では?と推測できるのです。『日経ビジネスオンライン』では以下の数字を述べています。2011年に勃発したユーロ危機前まで4%台だった失業率は、2014年には7.4%にまで上昇。経済成長率のほうはといえば、(2011年に勃発したユーロ危機前まで)2%台だったのですが、2014年の時点では1.4%にまで低迷しています。ですが、失業率の点で見れば、現状のオランダの数値は2016年にユーロ危機以前の水準まで上がったのです。低迷していた住宅価格も回復の兆し。2017年の経済成長見通しは2%と、ユーロ圏19カ国平均の1.6%を頭ひとつ上回っているそうです。
 
 つまりウィルダース氏は国民に対して、この経済成長の良い兆しを訴えかけることはぜす、福祉給付を要求する移民や、事件の要因となりうる移民に対する問題へと、国民の意識が向くように煽(あお)ったのではないでしょうか。そして、それが成功しているようです。
 
 ウィルダース氏は過去に、「オランダにはモロッコ人のクズどもが大勢いる」(ちょっと口が悪いですね。どこかの大統領のノリと一緒?)と、ヘイトスピーチを行っています。彼の選挙運動のスローガンは、「オランダを我々の手に取り戻す(The Netherlands ours Again)」です。国民のナショナリズムを擽(くすぐ)り、過去に経験した移民にまつわるさまざまな事件への不安に訴えて支持を広げているのです。
 
 分かりやすい弱者の敵・少数者を吊し上げ、スケープゴートにすることで支持を得る…。しかし、ポピュリズムの台頭=つまりは大衆に迎合することによって人気を煽る政治姿勢では?と考えると…、その突き当りにはかつての独裁者のゴーストが浮かび上がってくるのですが、いかがでしょうか。
 
 「まさか、英国がEUを離脱する訳がない」、「いやいや、トランプが大統領になるはずはない」と思っていても、いま現実は“まさか”のほうに転ぶに時代になっていることは否めません。
 
 多文化主義を肯定する寛容の国であるオランダの国民が、どの道を選択するのか? 実はいま、非常に注目すべき瞬間を迎えようとしているのでした…。

最終更新:3/16(木) 7:10
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