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外国人初の女性棋士が日本でプロを目指した理由

ダイヤモンド・オンライン 3/16(木) 6:00配信

 2017年2月20日、日本の伝統文化の一つである将棋の世界に、男女を通じて外国人初となるプロの棋士が誕生した。快挙を成し遂げたのはポーランド・ワルシャワ出身のKarolina Styczyńska(カロリーナ・スティチンスカ)さん25歳。日本でプロを目指したきっかけや日本での生活の様子などを聞いた。(ライター ミハシヤ)

● 言葉も文化も違う日本で 女流棋士の道を歩む

 日本人でも今や将棋のルールを熟知している人はむしろ少数派だろう。また、女流棋士になるにはどうしたらいいのかも一般には知られていないので、簡単に説明しておく。

 女流棋士とは、プロとして女流棋戦に参加する女性のことを指す。女流棋士になる方法はいつくかあるが、最も一般的なのは育成機関である研修会に入会し、規定の成績をあげることだ。研修会でC1クラスに昇級すれば女流3級の資格を得ることができる。女流3級というのは女流棋士の仮資格。規定の成績をあげて女流2級の資格を得れば正式な女流棋士になることができるが、取得から2年間で女流2級に昇級できなければ、資格が剥奪され研修会に出戻ることになる。

 まさしく「長く険しい勝負の道」という印象だ。言葉も文化も違う外国に一人で暮らし、女流棋士になるという夢をかなえたカロリーナさん。ここにたどり着くまでにはどのような道筋をたどってきたのだろうか。

● 将棋の世界に足を踏み入れた きっかけはマンガ「NARUTO」

 カロリーナさんが将棋を知ることになったきっかけは日本のマンガ「NARUTO-ナルト-」。登場人物の一人がチェスのようなものをプレイしているシーンがあったのだ。ポーランドではチェスは子どもから大人まで幅広い人気があり、カロリーナさんも幼少のころから親しんでいた。しかし「NARUTO」に出てくるゲームは、チェスのルールでは理解できない展開になっている。

 「日本のチェス(将棋)には独自のルールがあるのだろうと想像したんです」

 そこでインターネットで将棋について調べ、ますます興味が湧いてきたという。

 「ルールはシンプルなのに一筋縄ではいかない難しさがあり、勝負はダイナミック。チェスより面白いと思いました」

 日本文化とのつながりを感じられるのも気に入ったという「日本の文化はかっこいいと思っているポーランド人って結構多いんですよ」とカロリーナさん。

● 毎日4~5時間は熱中するほど 将棋の楽しさにはまった

 インターネットの将棋対戦サイト「81Dojo」に参戦するようになってからは、ますます将棋にのめりこんだ。当時はまだ16歳で、学校から帰ると毎日、ゲームに熱中した。

 「とにかく面白くて。気がつくと4~5時間は経っていましたね」

 インターネットだけでなく、時には将棋愛好家のポーランド人同士が集まり、カフェで対局をすることもあったとう。

 メキメキと実力をつけていったカロリーナさんが将棋に出会ったのは2008年。その3年後の2011年にはすでにポーランド・チャンピオンになり、この年にフランスで開催された国際将棋フェスティバルでは女性では最高成績の4位となった。

 短期間で腕をあげた理由について、「私は論理的にものごとを考えるタイプ。将棋が性に合っていたんだと思います」と語る。

 初来日を果たしたのは2011年。「81Dojo」で実際にカロリーナさんと対局し、その強さを見込んだ北尾まどか女流二段の招待で実現した。「北尾先生に『日本でもっと強い人たちと対局すべきだ』とすすめられたんです。実際に日本に来てみると、ポーランドとのレベルの違いを実感しました」

 約2週間の滞在で「もっと強くなりたい、プロになりたい」という思いがますます膨らんでいったという。

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最終更新:3/16(木) 14:50

ダイヤモンド・オンライン

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