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森友学園問題で安倍昭恵氏の関与どこまで 迫田英典国税庁長官の参考人招致は?

週刊金曜日 3/17(金) 18:38配信

 3月5日、森友学園問題の国会前集会(主催者は「森友10万人デモ実行委員会」)が開かれ、約200人が参加、2015年の安保法制反対集会と同じような雰囲気となってきた。「いりません!! 安倍晋三記念小学校」と銘打ったプラカードが立ち並ぶ中、映画監督や制服向上委員会の女子学生や三色旗を持った創価学会員らが次々とスピーチ。合間には「安倍は辞めろ!」のコールが入り、最後は10万人集会で安倍政権打倒の目標が確認される流れであったためだ。

 目を引かれたのは「アッキード事件 ファーストレディは公人です」というプラカード。2日の参院予算委員会で山本太郎参院議員(自由党)が、“アッキー”こと安倍昭恵氏にかけて「アッキード事件」と質問すると、安倍晋三首相は「この問題の核心とは関係なく、名誉を傷つけるために委員会の場を活用」と強い不快感を示したが、昭恵氏の関与の解明こそ森友学園疑惑の核心なのだ。

 小池晃参院議員(共産党書記局長)の質問に対しても安倍首相は「妻は私人」と反論したが、実態は限りなく公人に近い。昭恵氏の取材をすれば、すぐに気付くことだが、被災地をはじめ全国各地を飛び回る昭恵氏には、秘書が同行する。肩書は「内閣総理大臣夫人付」(「ASSISTANT TO THESPOUSE OF THE PRIME MINISTER」で、連絡先(所属)は「内閣総理大臣官邸」である。

 防潮堤見直しや森林保護問題などの集会に参加、講演や質疑応答をする時の昭恵氏の決まり文句は「(この問題について)夫に伝えます」。集会で取り上げられたテーマ(課題)について「昭恵氏から安倍首相に伝わるに違いない」と主催者や参加者が確信する場面は、追っかけ取材の中で何度も見てきた。

 安倍首相に日常的に直訴することができる昭恵氏は、並の国会議員以上の太いパイプと影響力を持つ“陳情窓口”と言える。昭恵氏が13年秋から熱心に取り組み始めた防潮堤見直しの集会で、安倍首相のビデオメッセージが流れたことがあったが、ファーストレディ(公人)の影響力を行使した賜物と捉えられたのは言うまでもない。

 森友学園の講演でも防潮堤見直し集会と同様、昭恵氏には秘書が同行した。過去の昭恵氏の行動パターン(官邸の秘書が同行して陳情窓口となる)からすれば、学園側の要望を夫の安倍首相に伝えた可能性はきわめて高いといえる。

【迫田元理財局長の招致を】

 一方、森友学園側の要望について安倍首相が役所に働き掛け(口利き)をした状況証拠もある。

 宮本岳志衆院議員(共産党)は2月24日の予算委員会で、15年9月4日の森友学園関係者と近畿財務局の会談について問い質し、佐川宣寿理財局長から「会談記録を廃棄した」という答弁を引き出したが、その前日(3日)に安倍首相は、迫田英典理財局長(当時。現在は国税庁長官)と面談をしていたのだ。「近畿財務局の上部機関に当たる財務省の迫田理財局長に安倍首相が国有地の格安払下げを依頼、その翌日に東京からの指示を受けて近畿財務局が森友学園側と内容を詰めた」と考えると、一連の経過が自然に理解できるのだ。

 1日の民進党ヒアリングでは、辻元清美・福島のぶゆき両衆院議員が記者との質疑応答でこの経過を問題視。

「1年で5回も会った理財局長は迫田氏だけで、他は1回か2回。しかも予算関連だから理財局長と主計局長とコンビで入るのが通例なのに、迫田氏は官房長と事務次官と入っている」(福島氏)

 また昭恵氏の秘書に関する質問主意書を出した辻元氏も「当時の迫田理財局長は役人なのに答弁に出てこない。籠池泰典森友学園理事長だけではなく、(安倍首相と同じ)山口県出身の迫田氏を参考人招致すべき」と強調。安倍政権の疑惑隠蔽姿勢を浮き彫りにした。

 森友学園の要望が、国会議員同等以上の“陳情窓口”である昭恵氏から安倍首相に伝わって、首相と面談をした迫田元理財局長の指示で近畿財務局が動いたのではないか――というのが、“アッキード事件”の構図といえるのだ。

(横田一・ジャーナリスト、3月10日号)

最終更新:3/17(金) 18:38

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