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「FOMC=ハト派」という見方は正しいのか

3/18(土) 10:00配信

オトナンサー

 米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げを決定しました。2015年12月と2016年12月に続く、リーマン・ショック後で3度目の利上げです。

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 FOMCの決定に対して、市場は、株高・金利低下(債券価格は上昇)・米ドル安で反応しました。元々0.25%の利上げが確実視されていたことがその理由の一つ。いわゆる「材料出尽くし」です。もう一つの理由は、FRBがアグレッシブな利上げを示唆する、との一部の予想が的中しなかったからです。

「ハト派」スタンスに変化なし?

 確かに、FOMC直後の会見でイエレン議長は「緩やかな」利上げを続ける意向を改めて表明しました。利上げに慎重な「ハト派」的なスタンスに大きな変化はないことが示された格好です。

 ただし、FOMCの材料を細かく検証すると、やや違った見方も可能です。FOMCがインフレを警戒している兆候が散見されます。まず、声明文では冒頭で「ここ数四半期、インフレは高まっており、2%の長期目標に接近している」との判断が示されました。前回までは「インフレは高まっているが、依然として2%の長期目標を下回っている」でした。

 そして、今後の政策方針に関して、今回の声明文には「対称性の物価目標と比較して物価動向を監視する」とありました。1月の声明文では「物価目標に向けての進ちょくを監視する」でした。

「インフレが2%を超える可能性」

 この2つの文章には大きな違いがあります。1月の声明文には、「現在の低いインフレが2%の目標に向けて上昇するのを見守る」との意味合いがありました。完全雇用がほぼ達成されているなかで、従来はインフレの低さが利上げを慎重に進める根拠となってきました。しかし、今回は「対称性の」が入ったことで、「インフレが2%を超える可能性もあり、その場合は(利上げによって)2%に下げる」との含意があります。

 FOMCに参加する個々人の政策金利見通し、いわゆる「ドット」について、その中央値(17人のうち上からも下からも9番目の見通し)は2017年中に3回(残り2回)、2018年中にさらに3回の利上げを想定しています。昨年12月の前回の見通しと同じです。ただし、両年とも中央値のドットが増えて、それらより下のドットが減りました。中央値より少ない回数の利上げを想定する参加者が減ったことを示しています。政策金利に対するFOMC内の平均的な目線が以前より上がっていると解釈できます。

 FOMC後のFFレート(政策金利)先物に基づけば、市場は今年6月と12月に追加利上げを予想しています。ただ、いずれも確率は5割をわずかに超える程度。自信を持って予想しているとは言いがたいものがあります。

 今回の利上げが3週間前にはわずか3割の確率でしか予想されていなかったように、市場の予想は今後も状況に応じて大きく変化しうるでしょう。インフレが加速するようであれば、市場はFOMCのアグレッシブな利上げを急速に織り込むかもしれません。

株式会社マネースクウェア・ジャパンチーフエコノミスト 西田明弘

最終更新:3/18(土) 10:00
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