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ミナミの「キャベツプラザ育」は何が凄いのか

東洋経済オンライン 3/18(土) 18:00配信

■街の人や場を堪能しながら

 お好み焼き、きつねうどん、押し寿司、ホルモン焼き、カレー、玉子トースト、ドーナツ、いか焼き……これは、私のアタマに読後浮かんだ食べたいものリストである。うーん、新幹線に飛び乗りたい。あの「食い倒れ」の街、大阪を知り尽くす著者が、街の人や場を堪能しながら、飲み、食う。さて、いちばんの御馳走はなんでしょう。

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 著者は、京阪神の街を紹介するあの『Meets Regional』を創刊した江弘毅さんだ。東京でも売っているので雑誌自体をご存じの方も多いだろう。13年間編集長をつとめた後独立し、大阪に本拠地を置く編集集団「140B(イチヨンマルビー)」の取締役兼編集責任者、となって今に至る。

 忘れてはいけないのが、プロフィールにのっけからある「1958年岸和田市生まれ。」。『岸和田だんじり祭り だんじり若頭日記』という一冊で、江弘毅という著者名がインプットされたという人が周りに多い。ニュースでよく聞くだんじり祭の、曳行の組のとりまとめ役をしていたという御仁なのだ。ちなみに、祭りの仕組みや逸話がよくわかるこの本もお勧めだが、それはまた別のお話。

うまそうなものを次々に紹介

 祭りっ子は街の中で、うまいものを飲み食いして育ってきたということなのだろう。と、我ながらざっくりつなげていくが、食、その周りの人、街、道具、と興味の範囲は広がっていったのか、『dancyu』『料理通信』『あまから手帖』など連載も多く、「大阪」「街場」「飲み食い」となると必ずお名前が挙がる方である。

そんな江さんが今までに雑誌で書きとめた、飲み食い日記(と勝手に称する)をまとめたのが本書『いっとかなあかん店 大阪』だ。

 全体の構成は、50店舗ほどを「キタ(梅田・北新地・堂島・中之島・福島・天満)」「船場(北浜・肥後橋・靱公園・本町・内本町・南船場)」「ミナミ(鰻谷・心斎橋・道頓堀・難波・千日前・黒門市場)」「その他」に分けて丹念に紹介し、「絶対に再現不可能なBarの話」「うまい鮨、とはなんだろう」「ザ・大阪のうまいもん実況中継(焼肉、てっちり、串カツ、うどんすき、お好み焼き)」「なぜ、焼肉といえば大阪なのか?」の各項目で、うまそうなものやら店やら人を、数で言えば総勢61店舗におよんで、ひたすら語っていく。

■過ごしてきた体験で語られていく店たち

 61店舗に関する江さんの紹介の仕方は、店を情報として扱う、グルメ雑誌のそれとは違う。実際に自分が店に通い、話し、仲間と出会い、時間を過ごしてきた体験で語られていくのだ。それは「おいしい街、うまい通り」なる6つのコラムで補完されており、イラストの助けも得て、読者が食べ歩く際の導線にもなっていく。

 そして今、私は「ミナミ」で、大阪飲み食い旅の導線を私なりに描いている。大阪の町ごとの性格は、秀吉の大阪城築城や江戸時代の、碁盤の目状の町割りで決まったそうだ。なんば界隈の「ミナミ」は、「同じミナミでも南部の難波千日前あたりと一番北にあたる鰻谷とでは、街としての手触りがまったく違う」という。

 私の妄想旅の導線の中心は、お好み焼きの『キャベツプラザ育』だが、この店についてなんぞ、お好み焼きの前に店の立地の話がある。位置は「ミナミ」のど真ん中、旧町名は「畳屋町」、今の住居表示は東心斎橋1丁目――まず大阪のなかでの位置づけ、そこから入るのだ。

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最終更新:3/18(土) 18:00

東洋経済オンライン

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