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「能力の2割増し」で働かせれば部下は成長する

ダイヤモンド・オンライン 3/21(火) 6:00配信

 曹洞宗のお寺の住職で『心配事の9割は起こらない』など多くのベストセラー著書がある枡野俊明氏が、悩み多きリーダーを救い、よりよい仕事を実現するためのヒントとなる「禅語」をご紹介していきます。今回の禅語は「少欲知足」。自分にも部下にも「もっと、もっと」を求めるのはよいのですが、行きすぎは禁物です。

● 際限なく求めても 幸福感は得られない

 人間の欲望は際限がないものです。とくに金銭欲や物欲は膨らめば膨らむほど、心をかき乱すものになります。こういった欲望をコントロールして、心の平穏を維持するには「少欲知足」(しょうよくちそく)という禅語を覚えておくといいでしょう。

 これは、お釈迦さまがご臨終を迎える直前に示された最後の教えとされる「遺教経」という長いお経のなかに出てくる言葉で、こう書かれています。

 「知足の人は地上に臥すといえども、なお安楽なりとす。不知足の者は、天堂に処すといえども、また意にかなわず。不知足の者は、富めりといえどもしかも貧しし」

 つまり、「こうして生きていられること自体、ありがたいこと。いまのままで十分だ」と思っている人は、暮らしぶりがどうであろうとも心は豊かである。

 一方、「まだまだ満足できない」と思っている人は、どんなにぜいたくな暮らしをしていても心は貧しい。「もっと、もっと」という思いにかき乱され、いつまで経っても心は枯渇感に支配され、幸福感が得られない。そういうことです。

● 能力の3割増しだと 負担が大きくヤル気が削がれる

 ここをまず踏まえたうえで、それではすべからく欲は持たないほうがいいかというと、そんなことはありません。「もっといい仕事がしたい。そうして世のため人のために尽くしたい」というような意欲は“別物”です。

 リーダーはむしろ、自分自身と部下の能力向上を「もっと、もっと」と求めるべきです。ただし、これも行きすぎは禁物です。

 私自身も住職を務めるかたわら、庭園のデザインや大学での授業、本の執筆など、さまざまな仕事をするなかで、日ごろ思っているのは、

 「自分の能力の2割増しくらいで仕事を請け負うのがいい」

 ということです。

 3割になると負担が大きすぎて、押し潰されかねません。「自分にはムリなんじゃないかな」という気持ちのほうがまさってしまい、いまひとつやる気が削がれる部分もあります。結果は推して知るべし、です。

 しかし2割くらいだと、「よし、やってやるぞ」という心意気が湧き出てきます。「がんばれば、できそうだ」と前向きに取り組むことができるわけです。そうなると実際、能力以上の仕事ができるものなのです。

 ですから、自分自身の仕事に関してだけではなく、部下にも「能力の2割増し」の見当で仕事を与えるのがいいかと思います。

 なかには「その仕事をやるにはまだ力不足で」とか「ほかの仕事で手いっぱいで」などと及び腰になる部下もいるでしょう。そういう人には「能力の2割増しくらいの仕事をこなす、その経験が能力をどんどん上げていくんだよ。このチャンスを逃したら、君にはもう2割減の簡単な仕事しか来なくなるよ。そこで成長もストップだ」などといってあげてください。

 このように、仕事における「少欲知足」は、自分にも部下にも多くを求めすぎず、しかし成長速度が加速する「2割増し」を目安にするといいでしょう。

枡野俊明

最終更新:3/21(火) 6:00

ダイヤモンド・オンライン

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