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緊急対談:SMAPとは何だったのか?最終回後編「やさしさ」という置き土産を心に、これからもSMAPと共に生きていく。

3/22(水) 18:51配信

otoCoto

“人間関係”も“会社”も、スタートより、終わらせる方がずっと難しい。デビュー25周年の昨年大晦日、遂に解散したSMAPから、私たちは何を受け止めたらいいのだろうか。

これまでSMAPメンバー出演の映画の撮影現場で密着取材し、3年半に渡ってSMAPのオフィシャルコラム『Map of Smap』でライターを務めた相田冬二、そしてカルチャーとしてのSMAP特集をいち早く組んで話題を呼んだ雑誌『Invitation』の元編集長・小林淳一のふたりが、SMAPが出演してきたドラマや映画を中心に、数回にわたって批評、考察していく連載『「SMAP」とは何だったのか』。

最終回前編では、昭和に生まれたSMAPが平成という時代の転換期を越えて、<なぜ四半世紀も活躍する長寿アイドルになったのか?>について考察しました。

後編では、いよいよ「SMAPとは何だったのか」という問いに対して、語り合います。


■せちがらくなった世の中に明朗に抵抗した「Joy!!」

小林淳一(以下、小林) SMAPが日本のポップミュージックに残した音楽的な功績を話すと「夜空ノムコウ」「らいおんハート」、そして、「世界に一つだけの花」という3曲ものスタンダードナンバーをもっていることで、これは凄いことです。バラードの名曲という点が重要。サザンオールスターズなら「いとしのエリー」、「TSUNAMI」、「涙のキッス」、ドリカム(DREAMS COME TRUE)なら「LOVE LOVE LOVE」や「未来予想図II」が代表的です。バラードの大ヒットナンバーって、国民みんなで共有できるものなんですよね。AKB48なら代表曲って、何ですか。「ヘビーローテーション」、「恋するフォーチュンクッキー」が浮かびますよね。でも、バラードではないんです。秋元(康)さんは毎年、桜の時期などにバラードのシングルを仕掛けてはいるんです。「Green Flash」なんてめちゃくちゃ名曲だと思いますし、嵐も「明日の記憶」というバラードの名曲がありますけど、まだそこまで一般的には浸透していない気がします。シングルでバラードを大ヒットさせるのって、実はすごく難しいんです。SMAPはそれを3回もやった。それは強調しておきたいですね。

相田冬二(以下、相田) たしかに、SMAPのこの3曲は<時代心理>の琴線にタッチする重要な曲でした。そしてSMAPは移りゆく<時代心理>に呼応するかのように、グループのアップデードを繰り返してきた。ただ、僕自身は、それまで<時代心理>に対応してきたSMAPならではのアップデートが、2011年に止まってしまったような印象を受けたんです。3.11以後は、<時代心理>に対応するシングルがなかなかリリースされませんでした。ところが2013年にようやく「Joy!!」(2013年6月リリース)が出る。この曲はさまざまな捉え方ができるとは思いますが、個人的には「遂にSMAPが3.11以後の日本に贈る歌をリリースした! 」と大きく気持ちが盛り上がりました。「Joy!!」には6人時代のSMAPを彷彿とさせるキラキラ感があって、しかし、単なる原点回帰とも違う、真新しい息吹きがあった。「♪逃げそう、ダメそう、自分が嫌になっちゃたなら」とキツい時代に生きる日本人を俯瞰した上で、「♪“無駄なこと”を一緒にしようよ」というなかなかに強烈なフレーズを、あくまでも明るく歌う。そこには「夜空」や「らいおんハート」や「世界に一つだけの花」のような“泣き”の要素がなかった。この真っ当すぎるほど真っ当なポジティヴィティこそが、過酷な時代を迎えて、どんどん不寛容になっていく社会に対するSMAPならではの【抵抗=レジスタンス】だと思えたんです。

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最終更新:3/22(水) 18:51
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