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歩いて健診受けて景品ゲット 健康ポイントが励みに

NIKKEI STYLE 3/23(木) 7:47配信

 健康作りに取り組む人に特典を付与する自治体や企業が増えている。歩いたり、特定健診を受けたりするとポイントがたまって景品と交換できる制度の導入が主流だ。一定期間、保険診療を受けなければ現金を給付する自治体もある。生活習慣病を予防し医療費を抑える狙いだ。ただ果たして効果があるのか、必要な受診抑制につながらないか。検証も必要になりそうだ。
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 「これまではすぐ車を使ったけれど、歩くようになった」。新潟県長岡市の60代主婦は笑顔で話す。
 昨年3月に同市の「ながおかタニタ健康くらぶ」に加入。歩数や消費カロリーなどを記録できる活動量計が“会員証”で、入会から1年間は3000円、その後は2500円の年会費を支払う。例えば5000歩で10ポイント、健康講座受講で100ポイントになり、ポイントに応じ商品券や地元農産物、体組成計などがもらえる仕組みだ。この主婦は「たまるのが楽しみ」といい、1万5000歩を歩く日もある。
 市と健康機器大手のタニタが連携して開設したJR長岡駅前の「タニタカフェ」が拠点だ。会員は体組成計で脂肪量や筋肉量を測り、カフェで送信した活動量計のデータも含め同社のインターネットサービスで推移を確認できる。
 カフェでは「1回のご飯は手のひらを少し重ねておわんの形にしたくらいが適量」といった管理栄養士からの助言も受けられる。くらぶは2014年にスタート、のべ会員は3000人を超えた。

■生活習慣病を予防

 厚生労働省の調査では、15年6月時点で市町村の国民健康保険や企業の健康保険組合など回答した2924団体のうち、13%が健康ポイントなどインセンティブ(奨励)事業を実施。その後も増え、埼玉県は市町村などと連携して今年4月から県全体で健康ポイント制度を始める。
 背景には医療費の増加がある。15年度の概算医療費は41.5兆円と前年度より3.8%増え、13年連続で膨らんだ。国保は慢性的な赤字に陥り、企業の健保組合も保険料が上昇傾向だ。
 医療費の3割を占めるとされるのが糖尿病などの生活習慣病関連だ。特典を動機づけに日常的な運動を促し、これらの予防につなげる。国の委託で筑波大学や千葉県浦安市など全国6市が実施した健康ポイントの実証実験では、参加しなかった人に比べ1人あたり年平均4万3000円の医療費抑制効果があった。
 ただ効果がはっきりしないものも多い。同省調査で7割はインセンティブ事業に「効果があった」と答えたが、その中身は「加入者の健康意識の向上」が64%で最多。「医療費の低減」は5%にとどまった。筑波大などが実施したプログラムについて、ベネフィットワン・ヘルスケア(東京)などが4月から提供を開始。他の自治体でも医療費抑制につながるかが焦点だ。

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最終更新:3/24(金) 7:47

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