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「史上最弱」から「プロフェッショナル集団」へ。侍ジャパン激動の1カ月

webスポルティーバ 3/23(木) 11:48配信

 試合後の青木宣親の言葉が、今回のWBC日本代表を象徴しているようだった。

「このチームは本当にプロフェッショナルなチームでした。みんな所属しているチームでは間違いなく中心選手なのに、試合に出られないときも自分で仕事を探して、頑張ってくれた。チームがひとつになれることができたし、前を向くことができました」

【写真】WBC韓国「惨敗」の真相・・・

 第4回WBC準決勝で日本はアメリカに敗れ、2大会ぶりの決勝進出はならなかった。それでも1次リーグ、2次リーグを全勝で勝ち上がり、決勝トーナメントに進出。準決勝で敗れはしたが、全員がメジャーリーガーのアメリカ相手に互角の戦いを演じるなど、”侍ジャパン”の底力を存分に見せつけた。

 振り返れば、1カ月前の侍ジャパンの合宿初日。天候が悪いということもあったが、サンマリンスタジアム宮崎の観客はガラガラ。メジャーリーガーは青木ただひとりで、しかも合宿は不参加。なにより、今回の侍ジャパンの顔であったはずの大谷翔平がケガにより辞退するというアクシデントに見舞われるなど、波乱の船出だった。

 ブルペンでもWBC公式球に馴染めない投手が続出するなど、「2次ラウンド突破はおろか、1次ラウンドも危ないんじゃないか」という声も聞こえてきた。さらに本戦前の強化試合も2勝3敗で負け越すに至って、ファンの不安はピークに達していた。

 それでも小久保裕紀監督は表情を変えることなく、「超一流選手の集まりですから心配していない」と繰り返し、選手たちに全幅の信頼を寄せていた。

“史上最弱か?”とも揶揄された、そんな侍ジャパンが本戦に入ると一変する。力強い戦いぶりで快進撃を続けていった。だがその陰で、小久保監督が「全員が納得するような起用はできないかもしれない」と言っていたように、選手たちはこれまで経験したことのないポジション、役割でのプレーを強いられた。

 オリックスの守護神・平野佳寿は、おもに先発投手のあと、1イニングを任された。特に、2次ラウンドのオランダ戦、キューバ戦は先発の石川歩、菅野智之が序盤から失点を重ねるなど、重苦しいなかでの登板だった。それでも平野は「こういうゲームでは絶対に点差を広げるわけにはいかない」と気迫のピッチングでチームに流れを引き寄せた。普段とは違うポジションでの起用ではあったが、「前半ということで気持ちの上で余裕を持ってマウンドに上がれるのかなと。初回からしっかり準備していました」と自分の仕事をまっとうした。

 侍ジャパンの代打の切り札となった内川聖一も、ソフトバンクでは不動の主軸である。その内川が代打の難しさについてこう語っていた。

「スタメンで出ているときは、4打席のなかで勝負できるというのがあるのですが、代打は1打席が勝負。結果を出さないといけない場面で登場するので緊張もしますし、難しさもあります」

 2次ラウンドのキューバ戦、同点で迎えた8回一死一、三塁の場面でこの試合2安打と当たっている小林誠司に打席が回ってきたが、小久保監督は代打に内川を送った。内川は追い込まれながらも犠牲フライを放ち、決勝点を挙げた。

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最終更新:3/23(木) 15:25

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