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『SING/シング』大ヒット・スタート! アニメ界はディズニーとイルミネーションの二強時代へ

3/23(木) 19:00配信

リアルサウンド

 先週末の動員ランキングでは、昨年8月の公開以来、半年以上延々とトップ10に入っていた『君の名は。』が遂にトップ10圏外に。ちょっと映画業界的な見方になってしまうが、あと数億円で歴代興収第3位の『アナ雪』に届くだけに、東宝がどこまで粘るかが見ものといえば見もの。というのも、先週も書いたように現場の映画館ではこのところ大ヒット作の公開が続いていて、全体的にスクリーン数が足りていない状況なのだ。

 大ヒットが続く『ラ・ラ・ランド』『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』『モアナと伝説の海』に続いて、先週末の動員ランキングで初登場1位となったのはイルミネーション・エンターテインメントの長編アニメ『SING/シング』。全国588スクリーンという大きな公開規模を生かして、土日2日間で動員42万1921人、興収5億4635万円を記録。昨年8月に公開されて累計興収42.4億円を記録したイルミネーション・エンターテインメント作品『ペット』との初動興収比で116.8%。同スタジオの作品として最もヒットした『ミニオンズ』との初動興収比でも100.1%と上回っている。公開日となった金曜日から祝日20日までの4日間の成績では動員79万2,833人、興収9億9,390万1,200円と早くも興収10億目前に迫っていて、累計興収50億以上を十分に見込める絶好のスタートをきっている。

 2位の『モアナと伝説の海』も3位の『ドラえもん』も高い推移での興行を続けていて、特に相次ぐ東宝系作品の新作公開によってスクリーン数が削られてきている『ドラえもん』は、週末の日中のシネコンではほぼ満席が続いている状況。また、3連休の最終日となった3月20日には『ラ・ラ・ランド』も興収30億という、この規模の作品としては前代未聞と言える大台にのっている。両作品とも本来ならまだまだ興収が伸びる可能性は高いのだが、映画の興行というものがいかに作品自体のパワーだけの争いではなく、スクリーン数の奪い合いによって左右されるかが、春休みのような有力作の公開ラッシュ期になると露わになってくる。

 最終的なトップをめぐっての争いは、『SING/シング』と『モアナと伝説の海』によるイルミネーションvsディズニーの二強対決となりそうな2017年の春休み興行。『君の名は。』はランキング外となったものの、ふと気がつけば今週のトップ10のうち7本までもがアニメ作品で、実写の外国映画は『ラ・ラ・ランド』だけという状況。アクション・シーンの激しさからPG-12のレイティングがついたとはいえ、作品の内容的には親子連れやティーン層の動員も見込めるはずの今週末公開『キングコング:髑髏島の巨神』が、そんなアニメにほぼ独占された動員ランキングの中でどこまで上位に食い込むことができるのか、今週末の結果に注目したい。

宇野維正

最終更新:3/23(木) 19:00
リアルサウンド