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ますます悪化? クライアントの「支払サイト」長期化問題:エージェンシーはどう対処すべきか

3/24(金) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

メディア企業のリレティビティメディア(Relativity Media)が、デジタルマーケティングエージェンシーのTVグラ(TVGla)に提携継続を求めつつ、支払いサイクルを60日から90日へと延長を求めたとき、TVグラのCEOであるディミトリー・ヨッフェ氏は、交渉の場をただちに立ち去った。

【事例から学ぶ】社運を左右する、支払い期限延長問題

「当社はすでに6桁の売上を失った。リレティビティメディアが破産を申請したからだ」と、ヨッフェ氏は明かす。「クライアントの規模が大きかろうが小さかろうが、我々は最大60日の支払期限を求めている。その理由は、皆が支払いを遅らせるようとすると、我々は膨大な運転資金を用意しなければならなくなるからだ」。

この問題は、TVグラだけのものではない。エージェンシーのグレイ(Grey)も最近、120日の支払期間を強要することで知られる美容ブランドのクライアント、コーティ(Coty)との契約を打ち切ったと報じられている。

ますます悪化か?

支払い期限の延長は広告業界にとって、いまにはじまったことではない。ヘルスケア関連製品を手がけるジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)のような巨大広告主は、不況時、経営難に対処するためこの戦術を使った。その際、契約先のエージェンシーは、あたかもジョンソン・エンド・ジョンソンに選択権があるかのように進んで協力した。

しかし、エージェンシー側は次第に、現金の山にあぐらをかく巨大企業から、まるで銀行のように利用されていると感じるようになる。2013年、一般消費財メーカーのP&G(プロクター・ アンド・ギャンブル)が75日の支払期間を導入すると、食品・飲料メーカーのモンデリーズ・インターナショナル(Mondelez International)は、さらに長い120日へと拡大させ、酒類メーカーのディアジオ(Diageo)など、ほかのブランドもこれに追随した。

こうした複合企業はこれまで、実に無遠慮な姿勢で、エージェンシーやベンダーを銀行として利用し、少なくとも120日は売上を手元に置いて、増収の資金にあててきた。彼らは、会社が再建の最中だとか、売上が伸び悩んでいるせいでキャッシュフローを調整する必要があるなどとさまざまな理由をつけては、新たな支払いスケジュールを押しつける。

理由は何であれ、大半のエージェンシーにとって、大手ブランドはポートフォリオにあると見栄えがするし、支払いがたとえ非常に遅いとしても回収はできるので、やはり取引したくてたまらない相手だ。加えて、広告は本質的に、関係性に基づくビジネスなのだ。

そしていま、この問題はますます悪化しているように思われる。

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