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完勝の陰で背番号4に迫る「危機」。本田は今の日本代表で生き残れるのか?

3/24(金) 11:30配信

SOCCER DIGEST Web

78分から途中出場の本田は見せ場を作れず、ポジション争いで劣勢に。

[ワールドカップアジア最終予選]日本 2-0 UAE/3月23日/アルアイン
 
 UAEとの大一番に勝利し、饒舌に取材対応をしていく選手たちを尻目に、78分からの途中出場だった本田圭佑は最後まで無言を貫き、帰路に就くチームバスへと乗り込んでいった。
 
 ほぼ同様のシチュエーションが、23歳の久保裕也にスタメンの座を譲り、「今日はみんなが良かったので、彼らに聞いてください」とひと言だけ残して会場を後にした昨年11月のサウジアラビア戦(〇2-1)だ。しかし、当時と大きく違うのは、ミランでの出場機会が一向に増えず、さらに今回先発出場の久保が1ゴール・1アシストの大活躍を見せたこと。代表における序列が下がっているのは火を見るより明らかだ。
 
 所属クラブでの処遇やコンディションを考えれば、本田のベンチスタート自体に驚きはないが、理由は他にもある。ハリルジャパンのサッカーの特長が、攻撃陣の世代交代を加速させているようだ。UAE戦後の香川真司のコメントに、その“ヒント”を見出すことができる。
 
「今日はSBが相手の速攻のケアであまり攻撃参加していなかった分、必然的に前の3人(1トップ+両ウイング)に早い攻撃が求められる。もちろんボールをポゼッションして、遅攻の時間帯もあるに越したことはないけど、カウンターがこのチームの一番の強みになりつつあるので」
 
 UAE戦の2ゴールはいずれもカウンターからで、「狙い通りだった」(香川)。その両方に久保が絡んだように、右ウイングにスピードのある選手を置くことで、左の原口元気と併せてサイドに“2本の矢”を構える算段だ。その点では、瞬発力や速さで勝負するタイプではない本田が劣勢にあるのは言うまでもない。

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試合勘の欠如で「10センチの差」を露呈。今の状態が続けば…。

 実際、久保がボールを奪って何度もカウンターを発動させて敵陣を深く抉ったのに対し、本田がチャンスの雰囲気を漂わせたのは88分の1回のみ。しかも、ドリブル突破を図っていく間に相手に追いつかれ、寄せられて倒れ込んでしまっている。他にも、相手を背負ってはたくパスも左右にずれて受け手がボールロストする、あるいは攻撃がペースアップできないシーンも散見された。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「本田は必要な選手」と公言しているが、今の本田は「10センチ(の差)を僕は試合勘と言うのかなと思う」と話す、まさにその“10センチ”が狂っている状態だ。いくら経験豊富で精神的支柱として存在価値があるとはいえ、クラブでの立ち位置や今の状態が改善されなければ、UAE戦の“クローザー役”さえも見切りをつけられても不思議はないだろう。
 
 本田は今、かつてないほど崖っぷちに立たされている。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)

最終更新:3/29(水) 16:03
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