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介護保険は改悪されるのか? ~国会で審議中の改正介護保険法の気になる話~(藤尾智之 税理士・介護福祉経営士)

3/27(月) 6:52配信

シェアーズカフェ・オンライン

第193回国会に介護保険法改正案が議案として提出されています。その議案は、平成28年の1年間で16回も行われた介護保険部会から出された意見が元となっています。制度維持のために大きく舵を切った国と厚生労働省。介護保険は、使い勝手が悪くなるとの専らの評判です。私たちは安心して老後を迎えられるのでしょうか。

■介護保険部会で議論された内容
介護保険部会は毎回テーマを決めて議論していました。具体的には、医療と介護の連携、自治体(保険者)のあり方、介護人材の確保、ロボットやICT、ケアマネジメント、軽度者への支援、利用者負担、介護保険料等のテーマです。それらの話し合いを経て、介護保険の見直しに向けた意見をまとめました。その内容は、大きく2つに区分されます。「地域包括ケアシステムの深化・推進」と「介護保険制度の持続可能性の確保」です。

地域包括ケアシステムの深化・推進と聞くと、何かすごいことが始まるように感じますが、国が何かを始めるわけではありません。始めるのは、それぞれの地域に住む私たち住民です。高齢者の自立した生活を支援するため、地域で考え、支援していくことになりました。そのため、病院や介護施設だけではなく、そこに住む地域住民の力が必要です。

身近な例で言えば、ゴミ出しの手伝いや買い物代行、掃除等です。高齢者が自立して生活できるように地域住民(ボランティア)で支えていくという考えに立っています。問題は、これだけ近所付き合いがなくなった世の中で実現できるのか?ということでしょうか。

介護保険制度の持続可能性の確保は、文字通りです。どのように持続可能性を確保するかという方法が問題です。もとはと言えば、介護保険サービスを必要とする高齢者が増えたため、介護保険から支払われるお金が急増し、財源が足りなくなったというものです。財源は、40歳以上が支払う介護保険料と私たちが支払う税金です。平成28年現在の財源は10兆円です。これから平成37年に向かって団塊の世代が75歳を迎えると20兆円くらいの財源が必要になると予測されています。

そのため、値上げの話が盛り込まれています。まずは、介護保険を使ったときに支払う利用料の負担割合を最大3割としています。その他、福祉用具や住宅改修費用の適正化も行われます。また、今回は見送られましたが、介護保険料の負担者を40歳未満にも拡大するという意見もまだ生きています。

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