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東京の企業が昨年1年間で本社を移転した先。大阪、愛知より人気だったのは北関東のあの県!

3/28(火) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

「地方創生」は安倍内閣の経済政策の柱のひとつである。「まち・ひと・しごと創生総合戦略」という5か年計画を策定して以来、都心一極集中が続く、人口や産業経済のバランスを均衡化させることを目標に据えている。しかし、この目標は実際、どの程度実現しているのだろうか。

 調査リサーチ会社の帝国データバンクは、東京圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)への転入出した企業の数を調査・分析し、3月21日に発表した。

◆戦後最長の好景気に並ぶ結果に

 2016年の1年間で東京圏へ転入した企業の合計は310社だった。これは2013年以来、3年ぶりの前年比減という結果だったが、いまだに300社を超える企業が東京圏へ本社移転をしており、東京一極集中の傾向が続いていることは明らかだ。

 一方で、東京都から2016年の1年間で地方に転出した企業の数は217社だった。これは2015年の231社、2014年の268社に続いて2年連続の前年比減となった。

 この結果、東京圏の企業転入・転出の状況は2011年以降6年連続で転入超過となった。これは戦後最長の好景気期間と呼ばれる「いざなみ景気」(2003~2008年)に並ぶ長さである。

 同社はこの結果を「近年はアベノミクス効果による円安・株高を背景とした企業業績の回復により、大手企業を中心とした景況感が改善しつつある。加えて、地方では人手不足など労働市場が厳しいこともあり、東京圏から地方への企業転出数は増加傾向にある」と分析している。

◆東京からの移転先、最多は◯◯!

 では、東京圏に転入した企業はどこから転入したのだろうか。同社では2016年に東京圏に転入した企業の転入元35都道府県を明らかにしている。

 もっとも多かった転入元は大阪府の75社で、全体の24.2%を占める結果となった。実に東京圏に転入した会社の4社に1社が大阪府から移ったことになる。続いて、愛知県(31社)、北海道(20社)、茨城県(19社)、静岡県(17社)という結果となった。

 では、逆に2016年に東京都から地方に移転した企業の転出先はどこが多かったのか。最多だったのは意外にも茨城県の24社だった。続いて、大阪府(21社)、静岡県(20社、愛知県(16社)、群馬県(14社)が上位に上がった。

 帝国データバンクによれば、「人口や企業が集中する大都市や、東京圏とのアクセスが良好な周辺地域への移転が多い結果となった」「高速道路が相次いで開通・延伸し、東京都との交通結節点となった北関東地域などに転出した企業も多くみられた」などと分析している。

 例えばその北関東に位置する群馬県では2017年度から東京23区から本社機能を移転した企業向けの補助金を拡充させる方針を決定。不動産取得税を1割に減税した上で、企業に同額の補助金を出して実質負担をゼロ円にしようとしている。

 いまだに東京一極集中が続くなか、地方創生を実現させるため、政府の一層の支援と各自治体の積極的な取り組みが待たれる。

<文/HBO取材班>

<参照>

「1都3県・本社移転企業調査(2016年)」

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p170305.html

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最終更新:3/28(火) 14:15
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