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【欧州発】久保裕也、本格ブレイクの導火線はここにあった!

3/29(水) 16:30配信

SOCCER DIGEST Web

調子が上がらない中でもゴールを連発。

 ヤング・ボーイズ(スイス)での5試合・4ゴールという好調を買われ、昨年11月11日の親善試合、日本代表対オマーン代表戦で、久保裕也は国際Aマッチデビューを飾った。
 
 続くワールドカップ予選のサウジアラビア戦では右ウイングとして先発に抜擢されたが、膝を負傷してしまった久保は前半いっぱいでベンチに退き、しばらく治療に専念することになった。
 
 久保のヘント移籍が発表になったのは、年明けの1月25日のことだった。ハイン・バンハーゼブルック監督は、「まだ先発で出場できるコンディションではなかった」と久保の状態を把握していたが、当時のヘントは負傷者や体調不良者が相次いでおり、移籍決定から4日後のクラブ・ブルージュ戦で、先発させざるを得なかった。
 
 その指揮官の期待に、久保はしっかり応える。力強くも美しい弾道のFKを決め、続くズルテ・ヴァレヘム戦では、自身が倒されて得たPKをきっちり成功。デビュー2試合で2ゴールという結果を残したのだ。
 
 ベルギーメディアは2節連続で久保をベストイレブンに選出し、『寿司ボンバー』と命名した。
 
 セットプレーからの連続ゴールのため明るみにはなっていなかったが、当時の久保のコンディションはまだ万全ではなかった。チーム練習にほとんど参加してなかったため、チームメイトとの連携はままならず、また、負傷上がりだったため、コンディションも上がり切っていなかったのだ。
 
 ベルギー・リーグで初めて“流れ”の中からゴールを決めたのは、デビューから5試合目となる2月26日のエクセル・ムスクロン戦。だがその試合でも、後半には膝に手を置くシーンを見せるなど、77分でベンチに退いた。
 
「もうちょっとコンディションを上げます。筋肉がちょっとキツかった」と試合後に語った久保。ここから一気に、コンディションとチームの中での連携を高めていく。

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本格的な強化トレーニングはこれから。

 3月4日のワースランド=べベレン戦、久保の値千金の決勝ゴールをチームは3対2の勝利。この試合で初めて、フル出場を果たした。レギュラーシーズンの最終節となった3月12日のメヘレン戦では40メートルの単独ドリブルから鮮やかなゴラッソを決めてベルギーのサッカーファンを震撼させ、チームをプレーオフ1へと導いた。
 
 3試合連続で流れの中からゴールを決めたという自信、さらに、2試合連続フル出場でグッとコンディションを高め、確かな手応えを得ていた。久保が今回の代表シリーズで活躍するベースはこうして築かれたのだ。UAE戦とタイ戦で、2ゴール・3アシスト。文句なしの数字だ。
 
 今後、久保のコンディションはさらに上向くだろう。代表合流前までは、膝の痛みを完全に消し去ることに重点を置いており、90分間を走り抜くためのコンディショントレーニング、DFに当たり負けしないフィジカル強化のトレーニングは、まだしていなかったからだ。
 
 いよいよ迎えるシーズンのクライマックス。目下の切れを維持したまま、いかに強い身体を手に入れるか――。チームに再合流する久保は、さらなる進化を試みる。
 
文:中田徹

最終更新:3/29(水) 18:44
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