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トランプ政権のプリンスとロシアン・コネクション

3/30(木) 21:42配信

GQ JAPAN

ドナルド・トランプ政権のプリンス、ジャレッド・クシュナー(上級顧問、大統領の娘婿)が厄介な立場に立たされている。

【クシュナー社が保有する高級オフィスビル「666」】

ジャレッドは今週はじめ、本人にとっては政権参加後初となる自身のプロジェクト「オフィス・オブ・アメリカン・イノベーション」を創設し、連邦政府の行政改革に取り組み始めた。まずはビル・ゲイツやアップルのティム・クック、テスラのイーロン・マスク、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフといった面々の知恵を借りながら、連邦政府の情報およびデータインフラの全面刷新を進めるという。

この発表と前後して、民主党議員を中心にジャレッドとロシア政府関係者との接触を疑問視する声が上がった。3月29日には、実家の大手不動産会社クシュナー&カンパニーが中国の安邦保険と続けていた取引の交渉で、安邦が手を引いたという話も報じられた。

以前「これぞ縁故資本主義 米中首脳会談の調整中にクシュナー家が中国金融グループと商談」という記事でも紹介したが、ジャレッドはこれまでもドナルド・トランプ大統領による“身内びいき”や“利益相反行為”の疑いで批判にさらされてきた。

反トランプで人気沸騰中のトーク番組司会者ステファン・コルベールは、ジャレッドが率いるホワイトハウスの行革チームを「明らかな身内びいきの結果できた部署」と揶揄してもいる。

救世主に逃げられたクシュナー社

クシュナー社が保有・管理する「666 Fifth Avenue」というオフィスビルのリニューアルを視野に、同社は中国の大手金融グループである安邦保険と交渉していた。『ブルームバーグ』などの記事によると、この交渉がまとまった場合、クシュナー社は4億ドルもの資金を得られ、オフィスビルを買収した時の負債をかなり圧縮できたという。安邦保険の資金も使いながらオフィスビルを建て替えることで、クシュナー社はビルをめぐる苦境から脱出できる見通し、という話が報じられていた。

ところが、その翌週には「政権入りしたジャレッド・クシュナーの立場がネックとなり、両社の交渉が宙に浮いている」とする話が流れるに及ぶ。安邦保険は「オフィスビルに関する出資契約はまだ結んでいない」との声明も発表した。それとほぼ同時に「(当該ビルは)周辺のオフィス物件に比べて空室率がかなり高く、ここ3年ほどは赤字続き」「負債の負担額もここに来て大幅に増加」という苦しい内情を伝える報道も出ていた。

なお、後者の話を伝えた『ブルームバーグ』は「ニューヨーク市周辺のオフィスビルの稼働率は昨年末時点で平均91%、それに対して666の稼働率は9月時点で70%」と指摘。さらに「約11億ドルも残っている借り入れの利率が12月に6.35%に跳ね上がった(もともとの条件がそうだった)」と報道した。

なお、昨年12月に発表された『フォーブス』の推定によると、クシュナー家の資産は全体で18億ドル超、そのうち不動産関連が11.5億ドルだという。

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最終更新:3/30(木) 21:42
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