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敵に勝つより味方に勝つ。大阪桐蔭の強さは熾烈な「競争原理」にあり

3/30(木) 8:10配信

webスポルティーバ

 やはり、大阪桐蔭が強い。このセンバツでも、2回戦以降は接戦になる場面もありながら、気がつけばしっかり勝ち進んでいた。

■【写真】大阪桐蔭の「凄すぎる新2年生」たち

 投手陣に確たる“軸”を持たないにも関わらず、たとえリードされても「そのうち挽回するんだろう……」と待っていると、その通り逆襲のキバをむき、あっという間に試合をひっくり返してしまう。

 この強さの理由は……「大阪桐蔭」だから。

 わかったような、わからないような理由だが、その言葉に説得力があるのは、大阪桐蔭の戦いぶりは、かつて強かった頃の「PL学園」とダブるからだ。

 前へ進む攻めだけじゃない。今年の大阪桐蔭には、その場でじっと踏みとどまる“強さ”もある。

 たとえば、3月27日の静岡高との試合。初回に奪った6点をすぐにその裏に同点にされて、さらに2回には1点のリードを許してしまう。しかし、そこから6回までしっかり踏みとどまった大阪桐蔭。尻上がりに調子を上げてくる静岡高の左腕・池谷蒼大は、この大会トップクラスの速球の質を持つ快腕だ。

 あれだけのスイングスピードを誇る大阪桐蔭の打者たちが、なかなか外野に飛ばせない。それでもその間、リリーフした徳山壮磨が4イニング静岡打線をノーヒットに抑えてみせる。この投打の“連携”が素晴らしい。

 結局、7回にも静岡高に1点追加を許すが、8、9回に、さすがに疲れの見える池谷蒼大を「待ってました!」と捉え、5点を奪って試合をひっくり返してしまった。踏みとどまって、“勝機”を待てる強さ。まさに横綱相撲だった。

 昨秋、大阪桐蔭は上位打線5人のうちの4人を“1年生(当時)”が務めていた。この春も、静岡高との試合では、スターティングメンバーのうち6人を“新2年生”が占めていた。

 オールマイティプレーヤー・根尾昂をはじめとして、根尾以上の可能性すら感じさせる俊足強肩の外野手・藤原恭大、日本人離れした長距離砲の雰囲気漂う山田健太。挙げていったらキリがないほど、才能あふれる逸材が揃った新2年生たち。

 彼らに隠れがちだが、新3年生の坂之下晴人、福井章吾のしぶとさや勝負強さは、昨年のレギュラーだった中山遙斗(遊撃手)、永広知紀(二塁手)の“くせ者”たちのプレーを1年半見続けていただけあって、しっかりと“DNA”を引き継いでいる。

 試合後の囲み取材で、ある中心選手がこんなことを言っていた。

「どんなに勝っても、ウチは油断できないんで……。相手に勝っても、もっともっと練習せんと、すぐ追い抜かれますから」

 悔しい記憶を思い出したのか、その日、大活躍したのにも関わらず、その選手に笑顔はなかった。むしろその表情は試合中よりも厳しさを増していた。

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