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見た目そっくり! 「ぼた餅」と「おはぎ」は何が違う?

3/31(金) 17:08配信

オトナンサー

 お彼岸に食べるものといえば、「ぼた餅」と「おはぎ」ですが、この両者の違いとは何でしょうか。そもそも、お彼岸にぼた餅とおはぎを作り、仏壇にお供えするのはなぜなのでしょうか。

 オトナンサー編集部が、和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。

小豆には「魔よけ」の効果がある

 齊木さんによると、お彼岸には、春分の日と前後3日間の「春のお彼岸」と、秋分の日と前後3日間の「秋のお彼岸」という2つがあります。

 仏教は、太陽が昇る東を「私たちの世界」、太陽が沈む西を「故人の世界」としており、昼と夜がちょうど12時間ずつになる春分の日と秋分の日は、「故人への思い」が一番通じやすい日として、お墓参りをしたり、仏壇にお供え物をしたりします。

 それでは、ぼた餅とおはぎをお供えするようになったのはなぜでしょうか。

 齊木さんによると、江戸時代の初期、あんこに使われる砂糖は非常に高価なものでした。大切なお彼岸に、「魔よけ」効果のある小豆と高級な砂糖を使ってあんこを作り、お餅につけ、それをご先祖様にお供えして、お願い事をしていたそうです。

「こしあん」と「粒あん」の違い

 続いて本題ですが、見た目がよく似た、ぼた餅とおはぎの違いは何でしょうか。

 まず、春のお彼岸にお供えするのがぼた餅、秋のお彼岸にお供えするのが、おはぎです。

 さらに「こしあん」か「粒あん」かという違いがあります。江戸時代、中国から入ってきた小豆は、種まき時期が4~6月、収穫時期が9~11月。秋に収穫された小豆の粒をそのまま粒あんとして使用するのがおはぎ、春まで小豆を保管し、硬くなった皮を取り除いた、こしあんを使うのがぼた餅です。

 齊木さんによると、ぼた餅は、春に咲く「牡丹」にかけて命名されており、形状も牡丹に似せて丸々とした、大きな形にします。一方、おはぎは、秋の花である「萩」に見立てており、その形状は、細長く小ぶりの俵形です。

全国各地にある「ご当地おはぎ」

 ちなみに、全国には「ご当地おはぎ」というべき、その地域特有のおはぎが数多くあるといいます。先祖を敬いお彼岸にお供えするルーツは同じですが、地域固有の素材などが使われています。

 関西には、青のりをまぶした「青のりおはぎ」があります。江戸時代に京都で生まれ、上品な薄味を好む関西で定着したとされています。長野県には「くるみおはぎ」があります。東信州は日本有数のクルミの産地で、風味が良く、殻の薄い良質のクルミを使ったおはぎが、大正時代から供えられています。

「現代は保存技術が進化し、粒あんやこしあんをいつでも製造できるため、ぼた餅やおはぎの区別はなくなりつつあります。しかし、先祖を敬う風習には変わりありません。先祖を供養する心を持ちながら、お彼岸を過ごしたいものですね」(齊木さん)

オトナンサー編集部

最終更新:3/31(金) 23:43
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