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春は別れの季節? 「離婚」と「保険」の憂うつな関係

4/1(土) 6:00配信

オトナンサー

「主人の生命保険、今解約するとどれくらい戻ってきますか」

 保険の仕事をしていると、奥様からこのような問い合わせを受けることがあります。

 しかし、安易に答えることはできません。堅苦しい話ですが、契約者はご主人であるため、保険契約に関する情報はあくまで契約者本人にしか伝えてはいけないのです。それでも、杓子定規に「ご主人にしかお伝えできません」と言えば、奥様の気分を害してしまう可能性もあり、対応が難しいところです。

 そこで「どうされましたか。何かございましたか」と尋ねると、「ここだけの話、離婚を考えているんです」と返ってくることがあります。

解約返戻金は財産分与の対象

 実は生命保険の解約返戻金(以下「返戻金」)は、法的には「夫婦共同で築いた財産」と見なされ、財産分与の対象となります。そのため奥様から返戻金の問い合わせがあるのですが、こうした事情とあっては、なおさら契約者であるご主人の了解なしに答えることはできません。

 離婚の原因は、浮気やDV、借金などさまざまですが、夫と妻のいずれかに非がある場合、最終的には慰謝料や財産分与などの「お金」でしか解決できません。しかしこうした時、家や車などの「分けにくい財産」しかないと夫婦でモメることが多いのです。

 特に20代や30代前半の若い夫婦の場合、はた目には良い生活をしているように見えても、家も車もローンで購入しているため、売却したお金でそれらの借金を清算しても、よくてもトントン、もしくはマイナスになってしまうことも少なくありません。

 さらには、預金がほとんどない「キリギリス型」の家計になっていると、すぐに分けられる財産は、年金保険や、お金が貯まる終身保険など、貯蓄性のある保険商品の返戻金しかないため、奥様が「せめて保険のお金は私が…」と考えるのも納得です。

水面下で準備する女性の“怖さ”

 しかし前述のような理由から、問い合わせに答えることはできません。

 また、このような連絡をもらった時点では、まだ離婚の話し合いが本格的に始まっていないことがあります。つまり、夫側は「何となくうまくいっていない」と感じる程度でも、奥様は水面下で着々と離婚の準備をしていて、いろいろと調査をしている段階なのです。

 そのため「返戻金について答えられないことは分かりました。しかし、私からこのような問い合わせがあったことは夫には黙っていてください」と頼まれることもあります。

 契約者である夫に“告げ口”するかどうかは、その保険の担当者のスタンスや契約者との人間関係にもよりますが、夫婦間の問題には巻き込まれたくないのが正直なところで、多くの場合は黙っていることが多いように思います。

 逆に契約者である夫側から「もしかしたら妻、もしくは妻の弁護士から返戻金の問い合わせがあるかもしれないが、答えないでくれ」と言われることもあります。もちろん「ルール上お答えはしません」としか言いようがないのですが、保険の返戻金を巡る夫婦間の攻防戦もなかなか大変なのです。

 しかし常に夫が後手後手。このような交渉は奥様の方が一枚上手で、改めて「女性は怖いな」と感じます。

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最終更新:4/1(土) 8:06
オトナンサー

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