ここから本文です

神戸戦前夜に届いた悲報、決意の柏木が2得点1アシスト 「我ながらベストゴール」と自画自賛

Football ZONE web 4/1(土) 20:58配信

GKの逆を突く左足のトーキックで先制弾 「自分でも良いゴールだったと思う」

 まさに“走るファンタジスタ”の面目躍如だった。浦和レッズのMF柏木陽介は、1日のJ1第5節敵地ヴィッセル神戸戦で2ゴール1アシストの活躍を見せ、3-1の勝利を引き寄せる立役者となった。

【写真一覧】美女サポーター特集 あのスター選手の美人妻やガールフレンドも…

 今季初のボランチでスタメン出場した柏木だったが、前半は神戸の堅守に苦しんだ。ビルドアップに苦慮し、最終ラインまで降りるプレーも織り交ぜながら攻撃の糸口を探した。その柏木が解き放たれたのが後半14分だった。スコアレスで推移するなか、浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督はMF駒井善成を投入し、柏木をシャドーストライカーの一角にシフトチェンジする。

 そのわずか2分後だった。浦和は駒井を起点とした攻撃で右サイドから侵入すると、中央への斜めのパスをFW興梠慎三がフリック。最終ラインの背後に出たボールにいち早く反応したのが柏木だった。4人の相手に囲まれながらキックフェイントを織り交ぜた鮮やかなステップで翻弄すると、最後は左足のトーキックで相手GKの逆を突いてゴールに流し込んだ。柏木は自身の先制弾を振り返り、こう自画自賛する。

「練習でも最近は落ち着いてプレーできているし、試合でもそれが出てきている。我ながら、ベストゴールでもおかしくないんじゃないかと思うくらい。トーキックも、相手のタイミングをズラして、時間を止めるというか。自分でも良いゴールだったと思う」

年1回の凱旋ゲーム、妻の家族に…

 同19分には、柏木の正確な左足キックでコーナーキックからDF遠藤航のゴールを演出して2-0とリード。神戸に1点を返されて迎えたアディショナルタイムには、カウンターのチャンスにゴール前まで進出し、MF宇賀神友弥のラストパスを角度の厳しいところから正確にゴールへと沈めた。これでスコアは3-1となり、浦和にとって10シーズンぶりとなる敵地でのリーグ神戸戦勝利を確実なものとした。

「最後はウガが間を通してくれると思った。右足で難しいかなと思ったけど、1点目を取っていた余裕が大きかったと思う。やっぱりすごく嬉しかったし、気持ちが乗ってきたと思いますね。コーナー(キック)もほとんど良いボールを上げられたと思うし、キックのフィーリングも良かった。これに満足することなくやるけど、全部のゴールに絡めて良かったと思う」

 柏木には、このゲームに懸ける強い思いがあった。神戸出身の柏木にとって年に1回の凱旋ゲームでもあり、小学校時代の監督も観戦。妻も訪れていたゲームだったが、妻の祖母が昨夜に亡くなっていたのだという。だからこそ、柏木は力を込めた。

「ゴールを捧げられて良かったと思う。何よりも、それが自分にとっては嫁さんの家族にとって何かできたことの一つになったんじゃないかなと。そういうなかで、自分のゴールで勝利もできたし、挨拶もさせてもらっているから、良い顔で会いに行けるんじゃないかと思う」

妻と妻の家族のために最大限の答え

 今季はシーズン開幕前の最終段階で足を痛め、ここまで本調子でないプレーが続いていた。そして、3月のロシア・ワールドカップアジア最終予選のゲームでは日本代表からも落選。「ワールドカップに出るのが自分の夢」と語る男にとって、仕切り直しの一戦に臨む試合前日には訃報も届いた。

 昨年3月に結婚したTBSでアナウンサーを務めている妻の渚さんは今月末で退社することが発表されている。柏木を支えるための決断と、その新しい家族に舞い込んだ悲しいニュースに対して、サッカー選手として柏木はピッチで自身のできる最大限の答えを出した。

轡田哲朗●文 text by Tetsuro KUTSUWADA

最終更新:4/1(土) 20:58

Football ZONE web