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twitterで話題の保育士・てぃ先生が描く「びっくりする」子どもの日常

4/2(日) 21:45配信

BEST TIMES

■びっくりさせたい

 話題の保育士・てぃ先生による書き下ろし最新刊『ハンバーガグー!』よりちょっとほっこりするお話を。

 保育士をしながらよく思うことは、子どもは大人の様子をよく見ているな、ということ。そして、いいこともあまり良くないことも真似をします。

 そんななか、大人の表情やリアクションを見て一喜一憂することがあります。特に子どもが大好きなのは大人が驚く様子です。目を輝かせてゲラゲラ笑います。

 例えば、保育園ではかくれんぼのとき。僕の勤めている保育園の子たちは、鬼役をしているとき、隠れている先生を見つけると、そのまま「見つけた」とは言わず、そーっとそばまで忍び寄り、わざと大きな声で「せんせい! みーつけた!」と叫びます。とにかく驚かせたいのですね。
 それに対して先生たちは、そういった子どもの行動を予測していたとしても、「わー!」とビックリしたようなリアクションをとります。そうすることで子どもが楽しそうに笑ってくれるからです。

 子どもは『やった! 先生をビックリさせた!』と、普段は勝つことのできない先生を負かしたという達成感を味わうことができます。これがもううれしくて仕方ないのですね。

 ある日のこと。
『驚く先生の様子が見たい』
 きっと彼はそう思ったのでしょう。ただ、その男の子(4歳)の可愛いところは『どうやったら先生がビックリするのか知っておきたい』と考えたところです。

  男の子は僕にこう聞きました。

「せんせい、『わっ!』って いったらビックリする?」

 すでに魂胆が丸見えです。
 一応、悪だくみが表情に出ないように我慢をしていることは伝わってきますが、顔がひきつっています。こちらが笑いそうになるほど『ビックリしてほしい』という気持ちが前面に溢れていますが、僕は気付かぬふりをしながら「そりゃあ、ビックリするよ」と答えました。

 すると、彼はもう僕がビックリした様子を思い浮かべてしまったのか、うれしそうな、ニヤニヤとした表情で、そのまま

「わっ!」

 と言いました。僕はその期待に最大限応えようと、

「わあああ! ビックリしたあああああ!! !」

 とオーバーリアクション気味に叫びます。
 すると……あれ? 様子がおかしい。
 驚かせようとした男の子が固まっています。

 僕はおそるおそる男の子に聞きました。

「(もしかして)ビックリした?」

 彼の答えは、

「ビックリした……」
(『ハンバーガグー!』てぃ先生著/より構成)

写真:アフロ

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