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羽生とW表彰台 宇野の未来照らす「2.28点差」、己への挑戦で世界歴代2位

4/2(日) 13:34配信

THE ANSWER

世界歴代2位の合計319.31点で笑顔の銀メダル、羽生と1、2位独占

 羽生結弦(ANA)の優勝で幕を閉じたフィギュアスケート世界選手権(ヘルシンキ)。フリーで驚異の世界最高得点を叩き出し、3年ぶりに返り咲いた世界王者に注目が集まったが、その22歳に最も肉薄したのが同じ日本の19歳だった。宇野昌磨(中京大)は世界歴代2位となる合計319.31点で2.28点差の2位。羽生と上位を独占し、ダブル表彰台に立った。

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 迫真の演技でフリーを踊り切ると、宇野の表情に充実感が滲んだ。冒頭の4回転ループと4回転フリップを成功。中盤は着氷でバランスを崩すシーンもあったが、演技全体をきっちりとまとめ、自己ベストを大幅に更新。万雷の拍手を浴び、渾身のガッツポーズを繰り出した。

 演技後、歓喜の表彰台に上がると、羽生と言葉を交わした。笑顔の銀メダル。しかし、その2か月前、宇野は表彰台の真ん中で悔しさに暮れていた。

「ゆづ君が出てる、出てないにかかわらず、自分の演技ができなかったことが悔しい」

 2月の冬季アジア大会。優勝会見で「羽生のいない大会だったことをどう捉えているか」という質問が飛ぶと、こう返した。冒頭の4回転ループで転倒しながら演技をまとめ、SP2位から逆転V。アジア王者に立ったが、四大陸選手権直後で羽生は不在――。金メダルの価値をどう受け止めるのか、19歳が求めていたのは結果よりも内容だった。

「完成系」の演技に込めた己への挑戦、平昌五輪へ未来照らす「2.28点差」

「このような結果が出たことはうれしい。ただ、自分の演技がベストを尽くしての優勝なら、心から喜べるけど、ショート、フリーともに良くなかったので、満足はできない」

 常に羽生のライバル1番手として視線が注がれる。しかし、宇野にとって、戦うべきは羽生でも、ほかのライバルでもなく、自分自身だった。すべては自分の演技を完璧にこなすことから始まると理解している。

 だからこそ、アジア大会から世界選手権に向け「跳べるジャンプを全部入れた完成系を見せたい。僕の中では跳べるジャンプに挑戦しないことは、どんな状況においてもない」と話し、並々ならぬ「自分への挑戦」に決意を込めていた。

 あれから2か月、宇野はフィンランドの地で羽生と同じリンクに立った。それも、羽生が世界最高得点を叩き出した4番後。だが、アジアでの悔しさを晴らすように、羽生が「出てる、出てない」にかかわらず、内容だけを求め、己の演技をやり遂げた。その結果、自己最高であり世界歴代2位となる合計得点で「世界NO2」に結実した。

 宇野にとって、満足する「2.28点差」ではないだろう。それでも、1年を切った平昌五輪へ未来を照らす、手応えの詰まった「2.28点差」にもなったはずだ。羽生が世界に脚光を浴びた裏で、日本人2人が描く未来も楽しみになる歴史的な一戦となった。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:4/2(日) 13:40
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