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羽生はなぜ4回転を4本跳んだのか コーチが明かす舞台裏、絶対王者の「矜持」

4/2(日) 22:38配信

THE ANSWER

リスク高い4回転を4本成功で逆転V、羽生が挑戦をやめない理由

 フィギュアスケート世界選手権(ヘルシンキ)は羽生結弦(ANA)がショートプログラム(SP)5位から劇的な逆転Vで幕を閉じた。フリーでマークした223.20点は自身が持つ記録を更新する歴代世界最高得点。その要因となったのが、4本の4回転ジャンプを成功させたことだ。

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 難易度の高いジャンプは当然、リスクが伴う。それでも、なぜ日本の22歳は挑戦をやめなかったのか。その舞台裏を、米有力誌「ニューヨークタイムズ」が言及している。

 4人が合計300点超をマークし、史上類を見ないハイレベルな戦い。羽生が制することができたのは、4本の4回転をすべて成功させたからにほかならない。冒頭のループ、続くサルコー、後半のサルコー、トーループ、いずれもノーミスで決めた。圧巻の演技の後、歴史を塗り替える「223.20点」がアナウンスされた。

 2連覇中だったハビエル・フェルナンデス(スペイン)を破り、3年ぶりに世界王者に返り咲いた羽生。記事では「羽生は過去2度の世界選手権でフェルナンデスに敗れ、若き新星スケーターたちが技術面を押し上げるのを目の当たりにしてきた。しかし、彼は新しい挑戦とリスクに挑み、スケート史上初めて4回転ループを着氷させたスケーターとなった」と称賛している。

 舞台裏ではコーチとの間で、勝利に結び付いた羽生の決断があったという。ブライアン・オーサー氏とともにコーチを務めるトレイシー・ウィルソン氏は「ユヅは今日さらなる境地に達した。並大抵のことではない。トレーニングを重ねて、そこに到達することができればと願うだけだ」とのコメントを伝え、羽生とのやりとりを紹介している。

「4回転は本当に4本必要?」…そう問われた羽生の答えとは

「4回転ループと、4本の4回転が本当に必要か尋ねたんだ。『本当に必要? 4回転ループと4回転は3本でもいいんじゃない?』と」

「彼の答えは『これこそが、なぜ自分が(この競技に)取り組むか、ということなんだ。この競技をさらに押し広げたいし、自分自身も高めたい』だった」

 見る者を魅了した「4回転4本」には、一人の絶対王者として、一人のスケーターとして、譲れない覚悟と矜持があったようだ。さらに、かつてない「4回転時代」に突入していることを証明するように今大会、多くの選手が4回転に挑み、成功させた。記事では、その理由について羽生が見解を明かしている。

「なぜ今日、さまざまな4回転が披露されたのかと言うと、それはボーヤンによるところが大きいです。間違いなく彼が僕達をそのレベルに押し上げた。彼は4回転ルッツとクラシックなパフォーマンスを披露し、僕たちに4回転ルッツが可能だと気が付かせてくれた」

 そう言って、3位のボーヤン・ジン(中国)を称えたという。「科学的には、5回転も可能だという話を聞きました」とも語ったという羽生。300点超のフェルナンデスですら4位でメダルを逃し、あと1年を切った平昌五輪では史上最高レベルの争いが予想されている。

 それでも、どんな状況であっても挑戦をやめることがない羽生結弦なら、再び表彰台の真ん中に立っていても決して驚くべきことではない。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:4/3(月) 10:46
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