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予想外の凋落。「王者」サンフレッチェ広島に何が起こっているのか

webスポルティーバ 4/3(月) 12:06配信

 一昨季のJ1王者、サンフレッチェ広島が苦しんでいる。

 広島は今季J1で第5節までを終え、いまだ勝利がなく、4連敗中。開幕戦で引き分けの勝ち点1を挙げたあとは、ずっと負け続けている。

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 しかも、ここまでの対戦は、昨季15位のアルビレックス新潟、今季J2から昇格してきた清水エスパルス、コンサドーレ札幌といった、”勝っておきたかった相手”がズラリ。直近の第5節でも、ともに3連敗中だった柏レイソルに0-2で敗れている。

 大宮アルディージャが開幕戦から5連敗しているため、最下位こそ免れているが、現在の順位はブービーの17位。これから先、上位勢との対戦に入っていくことを考えると、不安はさらに膨らむ。

 2012年、2013年の連覇のあと、2015年に3度目のJ1優勝を果たしてから、わずか2年。あれほど強かった広島に、いったい何が起こっているのだろうか。

 ここまでの5試合で総得点2総失点7という数字が示すように、深刻なのは得点不足だ。2得点にしても、そのうち1点はCKによるものだから、流れのなかから生まれたゴールはわずか1点にとどまる。攻撃がうまく組み立てられない。大雑把に言ってしまえば、そのひと言に尽きる。

 広島と言えば、低い位置からでもパスをしっかりとつないで攻撃を組み立てられる、ビルドアップのうまさが大きな武器だった。

 3バックはパスセンスに優れるだけでなく、自らボールを持ち運ぶこともできる。彼ら攻撃力の高いDFにボランチが加わって連係し、タイミングよく打ち込まれたクサビの縦パスを合図に、攻撃が動き出す。ピッチ上で何人もの選手たちがダイナミックに連動する攻撃は、見ていて実に迫力があった。

 しかも、相手ディフェンスがクサビの縦パスを防ごうと前方向に意識を傾ければ、今度はロングパス1本でいとも簡単にDFラインの背後を突く。広島の攻撃は、そうした駆け引きにも長(た)けていた。

 時計の針を巻き戻せば、こうした流麗な攻撃のベースを作ったのは、ペトロヴィッチ前監督(現浦和レッズ監督)だ。そして、それを土台に守備を整備し、広島を勝てるチームに仕上げたのが、現在の森保一監督。4年で3度のJ1制覇という大偉業は、いわば優れた”クリエイター”と”アレンジャー”の合作である。

 つまり、結果的にペトロヴィッチ監督が去ってから花開いた広島だったが、こと攻撃に関して実質的に支えていたのは、前監督の”遺産”だった。

 FW佐藤寿人、MF森崎和幸、MF森崎浩司、MF高萩洋次郎、MF青山敏弘など、ペトロヴィッチ監督の薫陶を受けた選手が軸となり、流れるようなパスワークから繰り出される、厚みのある攻撃を生み出していた。彼らという確たる軸が存在したからこそ、DF千葉和彦、DF塩谷司、MF柴崎晃成、FW石原直樹といった移籍加入の選手も、すんなりと広島のサッカーにハマっていった。

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最終更新:4/3(月) 13:50

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