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フランス極右ルペンとプーチン大統領の怪しい関係とは?

4/3(月) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

 まさに、不穏な動きと言えるでしょう。

 3月24日、フランス極右政党である国民戦線(FN)党首のマリーヌ・ルペン氏が、ロシアのプーチン大統領とモスクワで会談したと、ロシアの国営メディアを始めとする各所で報道されました。

 これがサプライズとなったのは、事前に2人の会談があるとは明らかにされていなかったから。ルペン氏がロシアへ行き、ロシア議員に会うとはされていましたが、まさかプーチン氏と話し合いをしてくるとは考えられていなかったわけです。

 しかも、この2人の会談は初めてとされています。

 フランス大統領選第1回投票は4月23日。ちょうど残り1か月前の2人の初会談は、様々なことを示唆しています。

◆改めて親ロシアである姿勢を示したルペン

 プーチン大統領という大物と直接話し合える。この会談を通じ、ルペン氏は、自らの強いリーダーシップを示そうとしたという考えがあります。

 これは正しいでしょうが、今回より重要なのは、相手がロシアであるという点。この会談で、ルペン氏の親ロシア姿勢が改めて明確になったという点は強調してもしきれないでしょう。

 これまでの動きを見れば明らかですが、ルペン氏はもともと親ロシアです。

 例えばクリミア併合に関し、EUはロシアを批判、経済制裁を科していますが、ルペン氏はこれまでにロシアの姿勢を支持し、クリミア併合容認の立場を取ってきました。プーチン氏と会談した24日、ルペン氏は、EUからのロシア経済制裁は解除すべき、という見方も示しています。

 ルペン氏は、シリアでもロシアとの協力が重要、としていますし、米大統領選でのロシアのハッキング問題においても、ロシアの関与は「陰謀説」との見方を示しています。

◆ロシアに選挙協力を仰いでいた可能性

 ここで、同時に忘れてはいけないのは、ルペン氏とロシアは選挙資金繰りでも密接に交わっている点。2014年にルペン氏が党首である国民戦線が、ロシアのファースト・チェコ・ロシアン銀行から約900万ユーロの融資を受けているという話は大変有名。

 これまでロシアと足並みをそろえてきた。今後もそうでありたい。今回の会談では、このようなルペン氏の意図が読み取れます。

 一方、今回の会談は、特別な意味合いをもっていた「可能性」があります。その可能性とは、ルペン氏が選挙勝利のために、ロシアに協力を仰いでいた可能性。

 特に重要なのが、選挙資金です。ルペン氏は選挙資金難に直面しており、フランスの銀行が協力してくれないので、ロシアに再び協力してもらおうと考えていた可能性があります。

 今回の会談でプーチン大統領は、フランスの内政に干渉する気はないものの、政治家と対話はしたいという立場を示しています。

 実際のところロシアがルペン氏にどこまで関わってくるかは不明ですが、ルペン氏としては、ロシアという大国を自分の応援団にする意味合いは非常に大きいものがあります。

◆マクロン氏が転べば、親ロシア大統領が誕生

 今回のフランス選挙ですが、現在特に注目を浴びているのは3候補。1人目がルペン氏、2人目がエマニュエル・マクロン前経済相、3人目がフランソワ・フィヨン元首相 。フィヨン氏は不正給与疑惑で窮地に立たされているので、現状は、ルペン氏とマクロン氏が決選投票に進み、一騎打ちの結果、マクロン氏が勝利すると考えられています。

 ルペン氏及び、フィロン氏は親ロシア。一方、現在もっとも大統領に近いとされているマクロン氏は親EU。これはつまり、マクロン氏が転べば、親ロシア大統領が誕生する可能性が極めて高いことを意味しています。

 もし、ロシアサイドから、選挙資金以外で何らかの「応援」があるとすれば、それは、マクロン氏を転ばすための画策となることでしょう。マクロン氏といえば、2月に同性愛者との不倫疑惑が出ました。この際、マクロン氏は、ロシアが「偽ニュース」を流したとしました。ロシアは否定。

 仮にですが、別の爆弾が出てきたらどうでしょうか。爆弾の大きさによっては、マクロン氏は本当に転ぶかもしれません。

 実際のところ、ロシアは本気で関わってくるのか、関わらないのか。ロシアの動きにも要注視すべきでしょう。

<文/岡本泰輔>

【岡本泰輔】

マルチリンガル国際評論家、Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。

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