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コンデナストは「デジタル化の遅れ」をいかに挽回したか?

4/5(水) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

コンデナストのファッションカルチャー誌「ヴァニティ・フェア(Vanity Fair:VF.com)」は昨年6月、スター級のライター陣とソーシャル最優先の戦略を駆使して、同誌初の独立したバーティカル(特化型)メディア「ハイブ(The Hive)」を創刊した。だが、デジタルディレクターのマイク・ホーガン氏は、別の意味で「ハイブ」の重要性を語る。

二流だったデジタル施策からいかに転換をはかったか

「すべてのコンテンツを内製して、大きな問題もなく予定通りに掲載するのは、我々にとって新しい体験だ」と、ホーガン氏。

二流だったデジタル施策

コンデナストの高級誌が一流だとすれば、同社のデジタル事業は長年に渡って、紙に遠く及ばない二流だった。印刷媒体の広告が堅調な状況で、デジタルは優先事項ではなかったから、時代の先取りなど問題外だ。各誌の専用サイトを開設するだけで、何年もかかったのだから。

たとえば、「ヴォーグ・ドット・コム(Vogue.com)」が本格的にローンチしたのは2010年。これは主に、コンデナスト傘下の雑誌が紙版の定期購読を増やすための販促手段として、サイトを扱ったからだ。ハースト(Hearst)やタイム社(Time Inc.)のようなほかの雑誌社が、デジタル能力を強化し、BuzzFeedやVox Mediaのようなデジタルネイティブと肩を並べる野心的な構想を語っていたあいだも、このアプローチは続いた。

乏しい投資のせいで、コンデナストが抱えるデジタル人材をつなぎ止めたり、デジタル広告費を集めたりが困難になった。メディアエージェンシーPHDの出版メディア担当グループディレクター、ジョン・ワグナー氏によるとコンデナストは、ほかの老舗紙媒体パブリッシャーをライバルと見なし、広告主がデジタルを求めているときでさえ、紙媒体を優先したという。

連携不足という死活問題

だが、コンデナストはひそかに遅れを取り戻してきた。2014年には、同社初の最高デジタル責任者にフレッド・サンターピア氏を指名。その後の2年間に、同社のデジタルオーディエンスは76%増加し、サイトでの滞在時間も132%延びたという。「素晴らしいスタートだ」と、サンターピア氏は胸を張る。

部門間の連携は、現代のパブリッシャーにとって死活問題だ。デジタルは規模が重要な分野であり、紙媒体の雑誌で有効だったやり方にこだわっても、オンラインではうまくいかない。コンデナスト傘下のブランドは、BuzzFeedのように機敏で成長ペースが速いデジタル専業メディアに市場シェアを奪われていた。

ある時点では、同社内で15ものコンテンツ管理システム(CMS)が稼働。そのせいで、FacebookやYahooのようなパートナーに大量の記事コンテンツを配信したり、複数の傘下メディアにまたがって広告を販売したりするのが困難になっていた。ブランド間で移籍したスタッフは往々にして、新しいシステムで再研修を受けなければならなかったのだ。

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