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ジュリエット・ビノシュ、円熟した演技の裏にある女優哲学とは?

4/6(木) 17:50配信

VOGUE JAPAN

日本原作のアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』がハリウッドで満を持して映画化! 劇中でスカーレット・ヨハンソン扮するヒロインの生みの親ともいうべき科学者を演じたジュリエット・ビノシュに、来日インタビューを決行した。多忙ななかでも優雅さを忘れず、大人の余裕を醸し出す----その秘訣とは?

ビートたけしの出演シーンも! 映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17)の劇中写真集。

ーーー出演はお子さんに勧められて決めたそうですね。

そう。私の子がオリジナルを知っていて、「絶対にやるべき。これはSF映画で、今までの出演作と違うから」って。初めは子どもたちと2か月も遠く離れたくないと思っていたけど、熱心な勧めもあったし、私自身も冒険したかった。

ーーーあなたは昨年、ジェシカ・チャステインなどハリウッドの仲間たちと”We Do It Together”という女性の地位向上を目指す非営利の映画製作団体を立ち上げています。その意味で、女性が主役である本作への出演も必然という気もします。

確かに。女性が主役で、彼女が人類を救うともいうべきストーリーね。それはとても重要なポイントだと思うわ。

ーーーあなたのキャリアは30年を超えますが、女優の仕事に対する考え方は変わりましたか?

いいえ。俳優の仕事に求められるのはコミットメントと情熱。以前からずっとそう思っているわ。それを保ち続けている人たちには深い尊敬の念を持っているの。型にはまらず、常に新しい冒険に挑む心の準備が必要とされる仕事ね。それに、役を掘り下げていくと、今まで知らなかった自分にも出会うものなのよ。自分自身が変化することも、この仕事が大好きな理由の一つね。役に浸りきって、様々な感情を味わうこと。頭で考えるだけでも、体感するだけでも駄目。肉体と精神をコネクトさせる。とても難しいんだけど、それが俳優という職業の素晴らしさだと私は思う。

ーーー今回の作品で印象的だったのが、スカーレット・ヨハンソンが演じる “少佐”とあなたが演じるオウレイ博士の関係です。博士は少佐にとって……

母親的な存在よね。精神的にもそうだし、実際に少佐の創造者でもある。ただ、最初に脚本を読んだときは内容がさっぱりわからなかったの(笑)聞いたこともない専門用語がたくさんで。こういうジャンルの愛好家でもなかったし、本当にゼロから学ばなければならなくて、いちいち「これはどういう意味?」と質問してばかりいたわ。でも、語彙や関連性を把握したら、理解できた。博士と少佐の関係は当初の脚本ではそれほど温かみのあるものではなくて、“科学者と脳以外は人工の義体”という感じだったの。ルパートや脚本家たちと一緒に、より強い関係性を作り上げていった。

ーーー博士は強く、同時に多くの矛盾を抱えたキャラクターでもありますね。

そう。かなり複雑なキャラクターだった。彼女は自らを危険な状況に追い込んでいく。少佐の誕生から、2人は徐々に心を通わせていくけれど、ある時点で博士は悪魔と契約してしまう。科学者として成功したいという野心に揺さぶられるのね。その一方で、少佐を守ってあげたいという人間的な気持ちもある。そこで少佐と築いてきた関係が鍵になってくる。

ーーースカーレット・ヨハンソンとの共演はいかがでしたか?

とてもうまく行ったわ。仕事がやりやすくて、本当にプロフェッショナル。子どもの頃から仕事しているから、撮影現場に変な緊張感をもたらしたりもしない。そして率直ね。気になることがあったら、すぐに言う。満足していれば、それもちゃんと示すし。人間的に心地いい女性で、美しいエネルギーに満ちてるわ。

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最終更新:4/7(金) 11:39
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