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パート社員で退職金の準備をする方法。(野口俊晴 ファイナンシャル・プランナー)

4/7(金) 5:00配信

シェアーズカフェ・オンライン

■基本給に準じて退職金も同等に
「パートだって退職金をもらいたい」

そういう期待を持たせたのが政府の「同一労働同一賃金ガイドライン案」(平成28年12月20日)だった。そこには基本給、昇給、賞与、手当などの格差解消案が出されている。しかし、退職金の項目はない。ちなみに基本給について見てみると次のようにある。

「基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の職業経験・能力を蓄積している有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、職業経験・能力に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、蓄積している職業経験・能力に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。」

何が何でも、非正規社員にも正規社員と同じ賃金を払えと言うのではない。あくまで「労働者の職業経験・能力に応じて」ということである。続いて労働者の「業績・成果」、「勤続年数」に応じて支給する場合も、不合理な待遇差を解消するよう求めている。このように基本給の扱いに準じて、退職金についても同等に取り上げてもらいたかったということである。

■退職金に縁のない人はこれだけいる
とはいえ実際に退職金となると、資金の長期運用、社員の責任度合いやキャリア育成の評価など複雑な要素もあり、基本給ほど簡単に扱えないのはわかる。それに、会社に退職金がないこと自体は違法ではない。問題は、正規社員に支給されている場合に、同程度の評価の非正規社員に支払われないという点にある。

退職金については、正規の社員しかもらえないというのが一般的である。企業では、非正規社員の働き手は欠かせない。非正規とはいえ勤務体系は正規社員とさほど変わらず、勤続年数の長い者もいる。それなのに、会社規模を問わず非正規社員の退職金はあまり望めない。

会社にとっても社員にとっても、当面は退職金のことを考えなくてもいいという事業所はけっこうある。日本の全会社のうち退職給付制度のない会社は約25%、ざっと100万社近くある。何らの企業年金制度にも加入していない人は約1950万人もいる(厚生労働省「就労条件調査」等の資料より)。それだけ退職金に縁のない人がいることになる。働いた期間分の「功績」として、せめて手当程度のものがあってもいいように思えるのだが。

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