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コンテとペップの明暗、長期的に見ると逆転か。上乗せ難しいチェルシーと問題明白なシティ【西部の目】

4/7(金) 10:47配信

フットボールチャンネル

 5日、プレミアリーグ第31節チェルシー-マンチェスター・シティの一戦が行われた。ともに今シーズンから指揮官を務めているコンテ監督とグアルディオラ監督は、対照的なシーズンを送っているようにも思える両監督。この試合を制したのは今シーズン好調のチェルシーだったが、単純に両者の今シーズンを象徴する一戦とは言えないかもしれない。(文:西部謙司)

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シティのゲームになるはずだった一戦

 チェルシーがマンチェスター・シティを下し、優勝へ大きく前進した。これで2位トッテナムとの差は7ポイント。4位のシティとは14ポイントもの差がついた。アントニオ・コンテ監督が3バックを採用してから順調にポイントを重ねたチェルシー、ペップ・グアルディオラ監督の思い描くサッカーができていないシティ。今季の両チームを象徴するようなゲームにも思える。ただ、そう単純な話でもないかもしれない。

 出方が注目されたのはシティだった。チェルシーは不動の3-4-2-1、3バックの右にズマ、右アウトサイドにアスピリクエタを起用しているが、システムとプレースタイルに変化はない。

 対するシティは、チェルシーの2シャドー(ペドロ、アザール)にデルフ、フェルナンジーニョをマッチアップさせた。両サイドもアスピリクエタにクリシ、アロンソにナバスと、ここまではマークが決まっている状態である。

 それ以外はシティの前方4人(アグエロ、シルバ、デブライネ、サネ)対チェルシーの5人(3バック+2ボランチ)という構図である。

 シティ側からみると、マッチアップの決まっている5ヶ所の1対1に勝つこと。そして前方の4人がポジションをズラしながらチェルシーの守備を攪乱して攻め込み、得点すること。守備、攻撃の両面でシティは思いどおりのゲームができていた。完璧とまではいえないものの、この試合に勝てる内容にはなっていた。

ペップのサッカーを実現するためのビルドアップ能力

 アザールの先制点は、シティの虚を突くものだった。アスピリクエタがドリブルで持ち上がり、右へ開いたペドロへパス。そのままアスピリクエタはボックス内へインナーラップしてペドロのパスを受けてプルバック、フリーになっていたアザールが決めている。

 この一連の攻撃でアスピリクエタは終始フリーだった。フリーで持ち上がり、フリーで走り込んでパスを受けた。アスピリクエタに侵入されたので、シティのディフェンスラインは下げられ、アザールもフリーになった。

 アスピリクエタが出てきて、ボールをサイドへ展開されたところまでは仕方がない。その後にデルフとフェルナンジーニョが後手になってしまった。それだけチェルシーの攻撃が速かったのだが、シティの守備の修正もやや緩慢だった。

 しかし、その後はシティが主導権を握っている。先制したチェルシーが引いたこともあるが、ジエゴ・コスタの脇を使いたい放題でビルドアップ出来たからだ。チェルシーの2シャドーはシティの2ボランチとマッチアップしているが、引くときには最終的にはサイドのスペースを埋める。

 ジエゴ・コスタの斜め後方のスペースへ引いてパスを受けようとするシティのボランチに対して深追いはしにくい。シティはボランチを起点にチェルシーの守備網をはがしはじめた。

 ただ、チェルシーがハイプレスを仕掛けてきたときのGKからのビルドアップには難があり、そのときは簡単に失っている。グアルディオラ監督のサッカーを実現するにはGKとDFのビルドアップ能力が明らかに不足しており、この点が今季いまひとつ機能しきれなかった要因である。

 とはいえ、チェルシーのハイプレスもジエゴ・コスタの機動力がないために頻度はさほどでもなく、シティは攻め込めていた。アグエロの同点ゴールは、チェルシーのGKクルトワが直接シルバにボールを渡してしまうミスからだが、流れはシティに傾いていた。

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