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カナダがAI推進に100億円超の予算……トロントに世界最高レベルの研究所オープン

4/8(土) 9:10配信

HARBOR BUSINESS Online

 世界最高レベルの人工知能の研究を行うベクター研究所(Vector Institute)が、3月30日付けでカナダ・オンタリオ州、トロントにオープン。オンタリオ州政府はディープラーニングとマシンラーニングに特化した同AI研究所を支援するために、5000万カナダドル(約42億円)を助成すると発表した。

 同研究所に対しては、カナダ連邦政府からも4000万カナダドル(約33.6億円)の助成が提供される。また、30社以上の民間企業が総額8000万カナダドルの支援を約束している。

 非営利かつ独立した研究施設であるベクター研究所は、AI研究を通してAI分野で優れた人材を育成。その人材をカナダ国内に留める一方、世界トップレベルの人材をトロントへ誘致し、AI分野の事業拡大を目指す企業からの更なる投資を誘致する意向だ。

 AI研究所の新設により、カナダで最も多くのAI関連企業・産業が集中しているオンタリオ州が関連産業の拠点として強化され、ディープラーニング分野でも世界トップレベルであるカナダの地位を一層堅固ななものにすると、関連各所は期待している。

 ベクター研究所には、「ディープラーニングの創始者」(”godfather of deep learning”)として世界的に有名なジェフリー・ヒントン教授(グーグル研究所・元トロント大学教授)が主任科学顧問として就任。リチャード・ゼメル(Richard Zemel)トロント大学コンピュータサイエンス教授が暫定研究部長に就く。

◆103億円をAI推進に投入

 オンタリオ州キャスリーン・ウィン首相は、「人工知能とディープラーニングは、人々の生活に大きく貢献します。この分野の最も優秀な人材を世界中からオンタリオ州に誘致することで、これら最先端技術を州の人々の生活を向上するために生かしていきます。また、今回の投資は、イノベーション経済におけるグローバル・リーダーとしてのオンタリオ州の立場を更に強化するものです」と、設立の意義をコメント。

 ベクター研究所で研究所主任科学顧問に就任したジェフリー・ヒントン氏は、「ディープラーニング分野での応用可能性は無限大です。今こそ、私たちが研究をリードし、AIの将来を形成すべき時だと考えています。ニューラル・ネットワーク技術を、医療や化学の発展、そして経済活動の強化など、応用可能な新しい分野へ開拓していく必要があります。ベクター研究所の設立により、モントリオールやエドモントンの研究所の協力を得て、私たちはここカナダのトロントでそういった活動を実現していけるでしょう」と今後について言及した。

 なおカナダ政府は今年度、1億2500万カナダドル(103億円)をAI推進戦略「Pan-Canadian Artificial Intelligence Strategy」の予算として計上していて、ベクター研究所プロジェクトは、その戦略のその柱のひとつになる。ベクター研究所は、AIを全産業において商業化するために、医療、銀行、会計、保険、小売り、通信、製造、技術、運輸、鉱業、建設及びロジスティックスなど各分野のパートナーと協力していく計画だ。

<取材・文/ロボティア>編集部>

【ロボティア】

人工知能(AI)、ロボット、ドローン、IoT関連のニュースを配信する専門メディア。内外の最新技術動向やビジネス情報、ロボット時代のカルチャー・生活情報をわかりやすく伝える。編集長は『ドローンの衝撃』(扶桑社新書)の著者・河鐘基が務める。https://roboteer-tokyo.com/

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